オフィスは一軒家! のびのびと仕事ができる環境を用意

 最も大きな変化は、社員たちに「帰る」意識が根付いたことだと林さんは言います。

 「制度を始めた頃は、社長や私に言われて、みんな『仕方なく』帰っていたと思います。少し制度が定着してからも、早く帰ることにどこか罪悪感を持っていたようでした。それが今では、帰ることが『当たり前』に。その雰囲気が根付いているので、新入社員ほど早く帰っているかもしれません。

 クリエイターの仕事は、どこまでも追求することができるのでゴールがないんですね。こだわり始めると、いつまでも残ることになってしまいかねません。そこをチケット制度で上手くコントロールできているんだと思います」

 林さんは2人の子どもがいるママ。仕事と家庭と2つの顔を持っているからこそ、時間の使い方には気を配っています。どうしても会社を休めない日に子どもが微熱を出してしまったとき、社長に相談すると、二つ返事で「連れておいでよ」と言ってもらえたのだそうです。「社長は私たちの“働きやすさ”をとても重視してくれるんです。オフィスが一軒家なので、微熱だけど元気な子どもを連れてきて、遊ばせる場所があるのもありがたかったですね」

オフィスとは思えないくつろぎの空間。海外からのお客様をお通しすると喜ばれるのだとか。「子どもたちも和室で遊ばせてもらいました」(林さん)

 一軒家なので、オフィスには広々としたキッチンも完備。社長が定期的に食材を補充してくれるので、お昼時になると料理をつくる社員もいるのだとか

 「お昼休みはここでみんなでわいわいごはんを食べるのが定番になりました。前のオフィスでは、みんなパソコンの前で食事をしていて、お昼でもしんとしていたんです。ここに引っ越してきてからはコミュニケーションが増えたし、きちんと休んで気分転換にもなっています」

ウォーターサーバーのほか、アイスクリームやちょっとした菓子類も常備。お米とパスタはストックがあるので、昼食を自炊することもできる
ロフト部分にはビリヤード台まで。仕事の合間、息抜きに使用する社員も

 どうやら「残業チケット」をきっかけに、社員のみなさんの時間の使い方にメリハリがついたようです。仕事をきっちり終わらせて、プライベートでインプットの時間を取る。素敵な作品がどんどん生まれそうですね。

 次回は、「残業チケット」というユニークな制度を立ち上げた社長にお話を伺います!

文/藪内久美子 写真/大吉紗央里

株式会社ピコナ

2009年設立。3DCGを用いたアニメーションの企画制作を行っている。社名は「スクナビコナ(一寸法師)」に由来。小さな体でも志を持ち、知恵と能力を武器に挑戦し続けたいという想いが込められている。
URL:http://picona.jp

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