メラニン+血液の色が肌色を決める

 美白の4つの柱、3つめは肌色発光です。

(3)肌色発光

 人間の肌色は、メラニンの量と血液の色が決めます。もともと色白の人でも、寝不足などで血液の巡りが悪くなると、どんよりと肌色がくすんでしまいますよね。

 最近の美白化粧品には、血液循環に着目したものも登場しています。色が多少黒くても、血液の流れが良くてくすみがなければ、肌がキレイに見えますよね。それも美白の一つの考え方です。「血行促進」と「保湿による透明感アップ」がポイントです。

(4)抗炎症ケア

 シミのある部分では局所的に慢性的な炎症が起きています。炎症が起きていると、メラニン合成を指令する成分がつくられ、メラノサイトがメラニン合成を増やします。炎症はシミだけに限らず、たるみやシワなど肌老化スイッチをオンにしてしまう美肌の大敵。30代を過ぎてからは「抗炎症」ケアが大切です。

2017年美白市場キーワードマップ(岡部美代治ビューティサイエンスセミナー資料より)
2017年美白市場キーワードマップ(岡部美代治ビューティサイエンスセミナー資料より)

 美白ケアの4つのアプローチをご紹介しました。

(1)環境要因のプロテクト
(2)メラニンケア
(3)肌色発光
(4)抗炎症ケア

 「4つもやるなんて大変!」と思いますが、最近の美白化粧品は進化しているので、一つでこの4つのアプローチをすべてやってくれるものがほとんど。ただ肌を白くするだけでなく、肌をキレイに育む、という考え方でつくられています。

 次回は、注目の美白有効成分と、自分に合う美白化粧品の選び方についてお届けします。

プロフィール
岡部美代治
ビューティサイエンティスト
岡部美代治
山口大学文理学部理学科生物学卒業後、株式会社コーセー研究所を経て、株式会社アルビオンにて商品開発、マーケティング等を担当。数多くのヒット商品を手がける。現在は美容コンサルタントとして活動し、商品開発アドバイス、美容教育アドバイスなどを行うほか、講演・セミナー活動、雑誌の美容特集などで正しい美容情報を発信している。化粧品の基礎から、製品化までを研究してきた豊富な経験に裏打ちされた美容理論は説得力がある。

文/中島夕子 写真/PIXTA