内容は、先輩と新人を対象に、お互いがお互いの気になる行動を聞いたもの。読んでみると先輩の多くが「指示待ちで言われたことしかやらない」と思い、新人の多くは「指示はこまめに出して」と思っていたりもします。こうした意識や価値観の違いは、あって当然のこと。くれぐれも全否定しないようにしましょう。

■先輩社員に聞いた「気になる新人の言動」
1.メモを取らずに同じことを何度も聞く
2.あいさつがきちんとできない
3.指示待ちで言われたことしかやらない
4.雑用を率先してやろうとしない
5.同じミスを何度も繰り返す
6.注意するとふてくされた態度をとる
7.ホウレンソウ(報告、連絡、相談)ができない
8.敬語がうまく使えない
9.感情表現に乏しい
10.注意してもどこかひとごとでいる
以下略

■新人に聞いた「改めてほしい先輩の言動」
1.あいさつをしたらきちんと返して
2.機嫌が悪いと口調が荒くなるのはやめて
3.指示はこまめに出して
4.飲み会はだらだら続けず、終わり時間を決めて
5.日々の業務の意味や目的をきちんと説明して
6.「ゆとり世代」とレッテルを張らないで
7.カラオケや一発芸の強要はやめて
8.「1度教えたでしょう」という態度で接するのはやめて
9.情報はきちんと共有して
10.先輩同士の悪口を吹き込まないで
以下略
※日本経済新聞「先輩と新人、お互いのここが気になる! 何でもランキング」より引用

5.常に動機付けを忘れない

 言われたことだけをこなしていては、新人のやる気はなかなか出てきません。褒めるべきところは褒めてあげると、モチベーションアップにつながります。後輩が一つ一つの仕事を終えたら、「ミスがない」「昨日よりスピードアップした」など、具体的によい点を伝えましょう。

「私がやったほうが早いから」と肩代わりするのはNG!

 人材育成にたっぷり時間をかけられた時代もありましたが、現代のビジネスパーソンは多忙なもの。先輩がテンパってしまい、「私がやったほうが早いから」と後輩に仕事を回さないケースもあるようです。気持ちは分からなくもないですが、それでは後輩の成長はストップしてしまいますよ。

「なぜこうするのか」と、理由を伝えるのも指導のうち

 また、聞かれたことに答えるだけでは、指導とは言えません。「なぜこのように処理するのか」など、理由をしっかり伝えるようにすれば、何度も同じことを聞かれる心配もなくなるはず。また、「仕事が丁寧だから」「正確だから」など、「なぜあなたに頼むのか」も伝えると、後輩のやる気もきっと倍増することでしょう。

ただ作業を追うのではなく、理由を説明すると納得して習得できる (C)PIXTA
ただ作業を追うのではなく、理由を説明すると納得して習得できる (C)PIXTA