正規も非正規も経験したすずまり姉さんのアドバイス

 新卒で保険会社の正社員となった私。結婚後は非正規社員として、期間従業員やパートなどの立場で働いたし、そのうちの2社ではクビになった経験もあります。その中で強く記憶に残っているのが、ある保険会社で出会った正社員の方。彼女は、2カ月限定で事務職として雇われた私を含む数名の指導者という立場でしたが、対応がとても素晴らしかったのです。

 非正規社員には個別のデスクが与えられず、みんなで共用の会議テーブルを使っていたのですが、彼女もいつもそこで仕事をしていました。同僚や上司のそばにいるほうが気分も楽だろうに、私たちのことを考えてその場所に来てくれたのです。もちろん、前述の3カ条も完璧。質問されて分からないことは「分からないので、明日までに調べておきますね」と返答し、翌日にはきっちりと教えてくれたものでした。

あなたの働き方、誰かが必ず見ています (C)PIXTA
あなたの働き方、誰かが必ず見ています (C)PIXTA

 そんな彼女の心ある指導ぶりに、私たちは尊敬するばかり。「あの人はすごい」と口々に言い、誰もが彼女のために貢献しようと頑張ったことを覚えています。「この人と仕事がしたい」と思ってもらえれば、業務はいっそうスムーズに回るもの。正規社員も非正規社員もイキイキと働ける環境をつくれるよう、互いに頑張っていきたいですね。

非正規社員とうまく付き合うポイント

◆たとえ年上でも過度に怖がる必要ナシ
◆業務知識やビジネスマナーを身に付け、一目置かれる人になる
◆友達ではなくビジネスパートナーと心得よ
◆人対人であることを意識し、敬意と配慮を忘れずに

ひよ子 「そっか。確かに私、まだまだ自信が持てていないです。こればっかりは、自分が頑張って知識やマナーを身に付けていくしかないですね」

やる子 「あ~、恥ずかしながら私も思い当たるわ……。新人の頃、頼子さんに怒られた記憶が鮮明に残っているから、必要以上に恐れているというのもあるかも」

すずまり姉さん 「ふふ、その話、頼子さんから聞いたことあるわよ。勉強不足だったとか、敬語がなっちゃいなかったとか、その他にもいろいろと」

ひよ子 「先輩、そんなにいろいろやらかしてきたんですか……」

やる子 「うわうわうわ、姉さん、やめて! もう言わないで……。それより今日のランチですってば。やっぱり怒られるのかな」

すずまり姉さん 「それも私、頼子さんに聞いたけど、全然違うわよ。この間の『YARUKI EXPO』で、ひよ子ちゃんがイベント運営をすごく頑張ってたことに感激したって話みたいだし」

ひよ子 「そうなんですか! 頼子さん、見ていてくれたんだ。うれしい……」

やる子 「えっ、姉さん、私は? 私にはお褒めの言葉、なかったですか?」

すずまり姉さん 「さあ、どうかしら? あ、そうだ。やる子は、お昼のお弁当の食べっぷりがよかったって言ってたけど」

やる子 「そんなことなんかーい!」

 そんなやる子のツッコむ声がむなしく響く、日経YARUKI社オフィス。この日もいつものように、平穏な時間が流れているようです。

文/石川由紀子 キャラクターイラスト/小迎裕美子 写真/PIXTA