クレームはイヤなものではなく、会社やあなたの成長を助けるもの

 クレームを聞いたり、謝罪をしたりするときは精神的につらいですよね。「クレーム」という言葉を聞いただけで緊張してしまう、という人もいることでしょう。

クレームは「ファンからのメッセージ」と心得よう

 でも、クレームをする側の立場に立ってみると、購入した商品やサービス、あるいは対応に不満があったからメッセージを発しているといえますよね。つまり、期待とのギャップや他社と比べて劣っている部分を「ぜひとも改善してほしい点」として、わざわざ教えてくれているんです。こうした改善のためのヒントを活用するかしないかは、私たち次第といえるでしょう。

しっかり対応すれば、末永いお付き合いができるかもしれない

 少子高齢化が進む日本では、国内マーケットの拡大は期待できません。新規の顧客を開拓するために多くの経費と労力をかけるより、既存の顧客との関係性を深めてロイヤルカスタマー(ファン、優良顧客)になっていただくほうがいいとする会社も多いはずです。そのために重要なことの一つが、クレームにどう対応するか。きちんとした対応で顧客や取引先に満足してもらえれば、信頼関係が築けて末永いお付き合いにつながるかもしれません。

クレームが届いたらどうすべき? 具体的な対処法

 クレーム対応には、「これをすれば相手は100%満足する」といった法則やルールは残念ながら存在しません。でも、クレームに対応する力をつけておけば、起きてしまったことに最善を尽くせます。クレーム対応力は「マインド×スキル×経験」で伸ばせるので、クレームに対する意識を変え、スキルを学び、社内でも互いの経験を共有していくようにしましょう。

誠意を持ってスピーディーに対応すること

 実際にクレームを受けた場合は、誠意とスピードを念頭に置いて対応しましょう。相手がイライラしているときに時間がかかってしまうと、いくら丁寧な言葉遣いをしても怒りを増幅させてしまうだけ。一方で、スピード感があっても事務的で心がこもっていなければ、謝罪の気持ちは伝わりません。

相手を怒らせないためのクレーム対応ステップ

 クレーム対応のステップでは、初期対応が最も重要です。クレームが届いたらその対応を最優先とし、先送りしないようにしましょう。基本的にクレームは、最初に受けた人が責任を持って対応するものなので、初期段階から上司や先輩に回すことは避けて。ただし、報告は速やかに行い、自己判断できない場合は相談しながら進めてください。万が一、恐喝やパワハラ、セクハラの疑いを感じた場合は、上司に対応してもらいましょう。

クレームはまずは自分で対応。だけど、自分で抱えない。すぐ上司に報告する! (C)PIXTA
クレームはまずは自分で対応。だけど、自分で抱えない。すぐ上司に報告する! (C)PIXTA

 具体的なクレーム対応のステップをまとめました。次ページで詳しく紹介します。