すずまり姉さんはどうしている? 名刺の上手な管理ワザ

 受け取った名刺にその人や案件の情報をメモしておくと、次回、会話のきっかけをつかみやすくなります。「初対面の日時」「案件」「話の内容」などを基本に、相手が切り出したプライベートな情報などもあれば書き添えておきましょう。ただし、名刺交換したその場でメモを書くのはNGです。マナー違反で、相手を前に失礼になるので、デスクに戻ってからにしてください。

 上記以外の名刺管理術は、『「誰だっけ」がなくなる名刺交換後のマル秘記憶術』でご紹介しているので、気になる方はぜひご一読を!

「名刺マナー」を身につけるポイント

◆誰のものでも名刺は丁寧に扱うこと
◆名刺を渡すときは目下から
◆複数人で名刺交換をするときは、上位の人から
◆デスクに戻ってから、もらった名刺に情報をメモ

ひよ子 「わぁ、部長、ありがとうございます! 今まで何となく名刺交換していたけど、これからは自信を持ってできそう」

やる子 「私も目からウロコだった! 大切なものなんだから、これからはもっと丁寧に扱わなくちゃ。この間、もらった名刺を落としそうになっちゃって、アワアワしたこともあったし……」

すずまり姉さん 「その話、聞いたことあるわ。何か、舞い落ちる名刺を追いかける様子が、まるでオモチャにじゃれつく子犬のようだったって……。しかも、クライアントの前で何回転もしたらしいじゃない。もうちょっと落ち着きなはれ」

やる子 「め、面目ないっす……」

ひよ子 「フフッ、名刺とじゃれつくやる子先輩、私も見たかったなぁ」

やる子 「思い出したらまた恥ずかしくなってきた! お願い、もう触れないで……。落ち込みそう」

すずまり姉さん 「大丈夫よ、やる子。私もこの前、恥ずかしい失敗しちゃったんだから。通勤中、電車の中で、iPhoneで音楽を聴いていたんだけど、やけにみんなが冷たい視線を送ってくると思ったら、イヤホンを差し忘れていたっていう……。車内に鳴り響いたユーミンを思うといたたまれなくて、すぐ次の駅で降りたさ」

ひよ子 「部長、ユーミンならいいじゃないですか! 私の友達なんて、もっと恥ずかしい音楽を……」

やる子 「は、恥ずかしい音楽? 何それ、新ジャンルだわ。詳しく聞かせてっ」

 落ち込んでいたはずが、すっかり元気になって失敗談に花を咲かせるやる子とひよ子。二人を温かく見守るすずまり姉さんの表情を見ると、彼女の失敗談披露はこれを狙ってのことだったようです。たぶん。

文/石川由紀子 キャラクターイラスト/小迎裕美子 写真/PIXTA