緊急度と重要度の高さによって変わる、業務の優先順位

 仕事の段取りを語る際、よく言われるのは「業務は緊急度と重要度が高いものから片付ける」ということ。でも、実際にベテランを対象とした働き方セミナーの参加者に聞いてみると、大半の人が「緊急度が高く、重要度が低い業務で1日が終わる」と答えます。

優先すべきは重要度! 先手を打って緊急度の高い仕事を減らす

 確かに、緊急度が高い=急ぎの仕事ですから、優先させたくなるのは当たり前。でも、そこにばかりとらわれていては、重要な仕事がこなせない人になってしまうので、まずはできる限り緊急度を上げないように努めてください。

みんな、この「緊急だけど重要でない」仕事に追われています
みんな、この「緊急だけど重要でない」仕事に追われています

 例えば、資料作成の締め切りが1週間後と1カ月後という二つの案件があった場合。この二つの緊急度は違いますが、どちらも重要度の高さは同じですよね。ここで、「まだ1カ月あるから」と後者に全く手を着けずにいると、あっという間に時間がたってしまうもの。でも、前者を優先させながら後者も早いうちから徐々に進めていけば、締め切りの1週間前になっても緊急度はそれほど上がりません。締め切り間際になって赤ランプが点滅……! なんて事態も避けられますね。

緊急度の高い仕事を増やさないために、実践したい4つのTips

 仕事を前もって進めていくには、作業時間をしっかり確保しておく必要があります。ここでは、そんな時間をつくるためのちょっとしたコツをご紹介しましょう。

詰め込み過ぎはNG! スケジュールにはバッファを持たせる

 「バッファ」とはもともと、衝撃を和らげるためのものを示す言葉ですが、ビジネスシーンでは転じて「余裕」「緩衝」といった意味で使われています。このバッファを持たせてスケジュールを組めば、突発的な仕事に対応する時間も確保できるというもの。To Doリストを分刻みで埋めたがる人もいますが、ゆとりのあるスケジュールを組むようにしましょう。

忙しいことを周囲に宣言すれば、振られる仕事が減らせる!

 取引先や上司からの急な資料請求など、急に仕事を振られることは少なくありません。おかげでその日のTo Doリストがまったく役に立たず、翌日に回す羽目になったり……。そんな事態に陥らないためには、前もって「自分が今、忙しい」とアピールしておくのも一つの方法です。朝礼などで当日に行うことを報告する習慣があるなら、その場を活用するのもいいでしょう。また、最近は各自の予定を全員が閲覧できるスケジューラーを使う企業も増えています。うかうかしていると全体予定を入れられてしまうので、自分の作業時間は早めに書き込んでおくのがオススメです。

自分の作業時間は早めにスケジューラーに書き込んで! 常に「バッファ」を意識して予定しておくと余裕が生まれてくるはず (C)PIXTA
自分の作業時間は早めにスケジューラーに書き込んで! 常に「バッファ」を意識して予定しておくと余裕が生まれてくるはず (C)PIXTA

外出する日をまとめて、移動時間を短縮する

 1日の中で外出と内勤が混在していると、仕事に集中しにくくなります。外出準備だけでも時間がかかるので、訪問のアポイントは複数入れるなど、社外の用事はできるだけまとめるようにしましょう。そして外出しない日は、とことんデスクワークに励む! これなら時間だけでなく、交通費も節約できそうですね。

会議の時間を長めに取らず、決めるべきことをスパッと決める!

 「終わらないと困るから」と、会議時間を長めに取る人もいますが、余裕があれば結局、ダラダラと進行してしまいがち。あるIT企業では「会議時間は基本的に30分まで」というルールが設けられているそうですが、その分、しっかりと準備していくため、ムダのない会議ができるとか。ミーティングルームが予約制の企業なら、あえて短めの時間で取るのもいいと思います。