無茶な締め切りは相談を、漠然とした締め切りは確認を

 仕事を頼まれると「No」と言えず、つい引き受けてしまうという人は、決して少なくないことでしょう。でも、スケジュールがタイトだったり、他の案件が立て込んでいたりすれば、ひたすら締め切りに追われることになります。

「その締め切りは厳しいかも…」と思ったらすぐに相談!

 締め切りに追われて焦りながらでは、仕事の質が落ちてしまいがち。最悪の場合、締め切りに間に合わなくなることも起こり得るので、無茶だと思ったらまずは相手に相談しましょう。「自分のスケジュールを『他人に預けない』方法」でも触れたように、「○日までなら間に合うのですが」と交渉し、それでもダメなら時には断る勇気も必要です。相談するタイミングは、引き受ける前がベスト。ギリギリになってからでは、相手を困らせてしまうので避けましょう。

「なるはや」「来週の頭まで」etc. 曖昧な締め切りは数字に変える

 「あの報告書、なるはやでお願い」といった曖昧な締め切りはトラブルのもと。その「なるはや」が3時間後なのか3日後なのか、人によって概念が異なるからです。もし、こうした指示を出された場合は「○月○日の17時までなら可能ですが、それでもよろしいですか?」と明確な数字で確認するようにしましょう。もちろん、あなたが指示を出す側になった場合も同じように依頼してください。

締め切りを自分でコントロールできる「My締め切り日」と「To Doリスト」

 締め切りに振り回されないためには、「My締め切り日」の設定も有効です。ここで言う「My締め切り日」とは、本来の締め切りよりも1日以上早めた締め切りのこと。これに合わせて仕事を仕上げるようにすれば、納期が遅れることはなくなります。

品質アップにもつながる「My締め切り日」管理術

 「締め切りギリギリだから」と焦って進めるよりも、確実にミスが減らせるのも「My締め切り日」のいいところ。仕上げて一晩寝かし、翌日に再度確認するようにすれば、よりクオリティーを上げることもできますね。また、スケジュールに余裕ができるので、急な外出や修正が入ったときもムリなく対応可能です。

 なお、「My締め切り日」だけを手帳に書いておくと、本来の締め切りが分からなくなってしまうので要注意。相手から指示された締め切りを「You締め切り日」とし、必ずセットで書くようにしてください。合わせて、その仕事の着手日も記入しておくと進捗管理がしやすくなりますよ。

その日の進捗管理は振り返りできる「To Doリスト」で

 1日のスケジュール管理に「To Doリスト」を使う人は多いことでしょう。以前、戦略的なTo Doリストの書き方をご紹介しましたが、ここでさらに提案。To Doリスト用のノートを作り、1ページを縦半分に折って書き込んでみるのはいかがでしょうか? 左半分には「理想のTo Doリスト」、右半分はその日にやり終えたことを書く「現実のTo Doリスト」とするのです。左と右を見比べて振り返りしやすいので、その日に終わらせられなかった理由や問題点が浮き彫りになることでしょう。ノートの余白を減らせるので、実は節約できるというメリットもあります。

 この方法でTo Doリストを書いていると、うまくいかない日は右側が真っ白……なんて悲しい現実を突き付けられるかもしれません。でもそこに「あしたは頑張って!」とか「この問題をクリアしないと、また切羽詰まるよ」といったあしたの自分へのメッセージを書き込めば、翌日はもっと要領よく進められるはず! To Doリストの内容を翌日に繰り越すほど仕事は増えていき、より締め切りに振り回されてしまうものです。賢く管理して、余裕のあるスケジュールで仕事を進めるようにしたいですね。

締め切りに振り回されず、いざというときに勝負できる人になろう

 人はそれぞれ、業務内容によって好き嫌いがあると思います。嫌いな業務の予定を組んだ後で、締め切りが同時期の好きな業務を依頼されたらつい優先したくなりますが、えり好みはNG。あくまでも、優先順位は先に予定を入れたほうです。嫌いな業務の締め切りを遅らせてもらう、なんてことはしないように心掛けましょう。

 日ごろから「My締め切り日」や「To Doリスト」を活用し、スケジュールに余裕を持たせておけば、嫌いな業務を優先しながら好きな業務にも携われます。また、営業活動が実って「狙っていた企業から、急きょプレゼンの機会をもらった!」なんて勝負時にも、じっくり時間をかけて準備できるはず。そうやって締め切りに振り回される日々から脱却し、いつでも勝負に出られる人になりたいですね。