自分をブランド化することで、価値のある人になろう

 自分に自信が持てない、将来に不安がある……。そんな思いを抱えている人は少なくないはず。働く女性にはさまざまな悩みが付き物ですが、だからこそ自分を「ブランド化」し、高めていっていただきたいと思います。

人のブランド力って、どんなことで測れるもの?

 ブランドとは、他者から見て価値を持つもののこと。例えばブランド品のバッグなんて、ボーナスをつぎ込むほどの価格の物も多いですよね。それでも売れるのは品質が確かで、手にすると気分が上がるから。アフターサービスが万全で、長く使い続けられるというメリットもありますね。

 そんなブランドバッグと同じように、例えば会社員の人なら、会社から「お金(給料)を払う価値がある人」と思われるには、何が必要だと思いますか? 大企業に属していること? それとも役職に就くことでしょうか? そう考える人もいるかもしれませんが、ここで言うブランド化とは、あくまでも社会でのあなたの価値を上げること。会社や配属先、上司といった環境は自分で変えられませんが、自身のブランド力は努力次第で高めることができるんです。

価値ある人になりたいです (C)PIXTA
価値ある人になりたいです (C)PIXTA

自分の味方となるメンターを見つけよう

 そのためには、以前、「『管理職じゃなくても価値ある人』になる3つのスキル」でもお話ししたように、さまざまなスキルを身に付けることが必要にもなるでしょう。

 また、利害関係なくあなたを応援し、高めてくれる味方をつくることも大切。仕事上の相談を持ちかけたとき、「あなたにはこういう強みがあるけれど、この部分が足りていない。だから、こういうふうにやっていくといいよ」と適切なアドバイスを与えてくれる人がいれば、自分を客観的に見る手助けにもなります。いわゆるメンターですね。

 企業によってはメンター制度を設けているので、それを利用するのもいいですし、自分で探しても構いません。ただし、あなたの仕事ぶりを知っている人であることが不可欠。そして、仕事に対する考え方があなたと似ていて、共感できる人がいいと思います。理解できない人や、言動に共感が持てない人だと、どんなに素晴らしいアドバイスをもらっても真摯に受け止められないでしょうから。

トライ&エラーで、信頼できるメンターを探す

 長く深く付き合えるメンターに出会えることは、あなたが仕事を続ける上での一生の財産。「相談したけれどちょっと違う」「この人に相談しなきゃよかった……」なんて思ったら、また別の人を探せばいいんです。自分の悩みを人に相談することで、伝える話し方もどんどん上手になれますよ。

 信頼できるメンターが見つかったら、相手に対してギブ&テイクの気持ちを持つようにしてください。相談に乗ってもらう代わりに、自分が貢献できることを探すのです。その人にとって役に立つ情報や、人物などを紹介するのもいいでしょう。

キャリアを考えるなら、今までの経験を肯定して生かすべき

 「自分に自信が持てない」という人は、まずは自身を振り返ってみてください。入社してからの経験の中には、必ずキャリアに生かせる強みがあるものです。「ルーティンワークだから、できて当然」なんて思うかもしれませんが、パソコンスキル、接客力、クレーム対応力、担当業務に関する知識、ビジネス文書やメールの作成力などは、これまでの経験から培った財産。たとえ失敗したことでも、確実にあなたのプラスになっているので忘れないでください。

歩んできたキャリアを振り返り、前進する力へ替える

 転職や再就職に当たり、自分に強みがないと嘆く必要はないのです。資格があっても経験がなければ、採用されないケースも少なくありません。私自身、再就職を目指した時は今までと全く違う分野を志し、関連資格の勉強なども行いましたが、経験者にはかなわないとつくづく実感したものです。結局、前職である保険会社の人事部で培った人前で教える力が自分の強みであり、今の職業につながっているわけですが、当時は思いもよらないことでした。

 キャリアの語源は、ラテン語で轍(わだち)の意味。馬車などが通った後の車輪の跡を表す言葉ですが、同じようにあなたの仕事の歩みにも軌跡が残っています。せっかく努力と苦労をして歩いてきた道ならば、何度でも振り返りながら進んでいきましょう。それこそが、あなたのブランドであり、差別化やオンリーワンになれる近道なのですから。

あなたが仕事で歩んできた軌跡は、肯定すべき素晴らしいもの (C)PIXTA
あなたが仕事で歩んできた軌跡は、肯定すべき素晴らしいもの (C)PIXTA