正社員登用に挑戦し、バリバリ働くスタイルに

――その後、半年たって、時短勤務からフルタイムに戻られたと伺いました。

 生活リズムが整ってきて、チャレンジしようと。それに、以前よりもさまざまな制度が導入されて子どもがいる女性も増え、働きやすい環境が整っていました。少しでも多く仕事をしたいと思い、フルタイムに戻りました。

 そして、下の子が3歳になったのを機に正社員(エリア限定総合職社員)になりました。これは、転勤がない地域限定正社員のようなものですが、数年前に制度ができて、ぜひ応募したいと思っていたんです。試験や面接を経て、正社員になることができました。

 以前の契約社員の時代と勤務時間も勤務内容もほぼ変わらないのですが、給料やボーナスなどの待遇面が変わりました。研修にも参加できるようになり、ステップアップを目指せる環境が整ってきました。

 ただ、デリバリーという職位は、本来新卒入社で10年程度現場経験を積んだ社員が就く職位なんです。私は現場経験が乏しく、圧倒的に知識が少ないと感じて、社員の方が読んでいる本を教えてもらったり、店舗マニュアルを借りたりして勉強を重ねました。みんなと対等に話をするために、理解しておかなくてはならないことが山ほどある。経験が足りなければ努力で補うしかない。責任ある立場で働かせてもらっているので、それに値する仕事をしたいと思っています。現在は20人ぐらいの部署にマネジャーがいまして、私はその補佐をしています。マネジャーが不在のときは、代理で仕事をすることもあります。

――力があれば、どんどん仕事を任せてくれるような雰囲気があるのですね。

 学ぼうと思えば学べますし、結果を出せば認めてくれる会社ですね。パート勤務だった時も同じで、立場に関係なく言いたいことを言っても聞いてくれるし、やりたいことを率先して提案した人に「それならやってみれば」と仕事を任せてくれる。とても働きやすい職場です。

――バリバリと働かれている今、ご家族はどのように感じているようですか?

 小6の娘は、母が働いていることが誇らしいようです。最初は「何をやっているの?」「なんでいつも家にいないの?」と不思議な顔をしていたのですが、ニトリの店舗に買い物に連れて行って、「お母さんは、こういう商品を海外から輸入しているんだよ」という話をしたら、「え~すごいね!」って、なんとなく理解できたようです。

 帰宅が夜遅くなるときも理由をきちんと説明すると、「じゃあ、頑張ってね!」と応援してくれます。先日は、仕事から帰るのが遅くなってしまったのですが、小2の息子と二人で冷蔵庫に用意しておいた夕飯を温めて食べ、お風呂に入り、歯磨きをして寝る準備をして待っていてくれたんです。「ありがとう!」と感動でした……。あの、「産後うつ」の暗黒時代を思うと、ここまで成長したことが奇跡のようです。

――バリバリと働いている宮澤さんを、旦那様はどのように見ていますか?

 変わらず、温かく見守ってくれています。今も変わらず、お皿を洗っていますし、朝は洗濯物を干し、週末は掃除機をかけています。料理や小学校のPTA関連は私、洗濯と掃除は夫、というふうにいい分担ができています。長期出張の際には、実家の母に来てもらうこともありますが、普段は夫と二人で協力し合っています。もう、大きなケンカをすることもなくなりました(笑)。