「プール用の口座」はなぜ必要?

 お金がたまる「しくみ」づくりでは、「2. 貯蓄用の口座」と「3. プール用の口座」を分けるのがポイントです。毎月貯蓄をしているはずなのに預金残高が増えていないという人は、貯蓄用の口座からお金を引き出していることが多いからです。

 こんなことがありました。取材でお会いした女性(30歳)は毎月10万円を貯蓄しているというので、「すごい。かなり貯蓄できていますね!」と言ったところ、「いえ、それが今の預金残高は100万円ちょっとしかないんです」というお返事が。お話を聞くと、旅行に行ったり、バーゲンで洋服を購入したりするお金が足りないと、貯蓄用の口座からお金を引き出していたのです。

 「ためては使う」を繰り返していては、お金をためることはできません。こんなとき、「旅行用のお金」や「洋服を買うためのお金」を予算化してあらかじめ「プール用の口座」に分けておけば、貯蓄用の口座からお金を引き出してしまうという事態は避けられます。

そのお金、本当に必要ですか? 予算化すればなんとなくの出費も減ります(C)PIXTA
そのお金、本当に必要ですか? 予算化すればなんとなくの出費も減ります(C)PIXTA

 万一に備えるお金がたまったら、「4. 投資用の口座」を開設して、少額でもいいので毎月の積立投資をスタートするのも大切です。以前は、「お金がたまってから投資をする」というイメージが一般的でしたが、今は「貯蓄と並行して積立投資も行う」と発想を切り替えてください。

 1000円や500円、楽天証券やSBI証券、マネックス証券などでは100円から投資信託の積み立てができる時代です。まずはネット証券に口座を開設するところから始めてみましょう。あるいは銀行のインターネットバンキングで投信の積み立てをするという選択肢もあります。以前、お金のふえ方は「金額」×「リターン」×「時間」で決まるというお話をしました。なるべく早く、しくみ化の中に「4. 投資用の口座」を組み込むのがポイントです。