運用期間や目標額は早めにイメージしておこう

 長期で積み立てを続けるなら、「日本の株だけ」「中国の株だけ」というように特定の地域・国に投資する投信だけを積み立てていくのはやめましょう。長期的に下落し続けることもあるからです。これまでお伝えしてきたように、あくまでも、「世界に幅広く分散された株式のパッケージを持つこと」が大前提です。

 また、積み立てを始めたばかりの頃に株式市場が急落しても、それほど影響は大きくありません。投信で運用しているお金も少ないからです。しかし、運用残高が積み上がってきてから相場が急落すると影響は大きくなります。「そろそろリタイアして運用してきたお金を解約して使おうか」というときに金融危機で資産を大きく減らしてしまうのは避けたいところです。

 運用をやめる数年前から、投資信託を解約して預金などの安全資産に徐々にシフトする、といった選択肢もあり得ます。まだまだ先のことと感じるかもしれませんが、「あと何年くらい運用できるか」「いつくらいから運用したお金を使おうと思っているのか」は今からイメージしておくといいでしょう。

文/竹川美奈子 写真/PIXTA