30代のゆかりさんが投資を始めたきっかけ

 スバルさんは10年ほど前から企業型DCに加入していて、インデックス投信の積み立てを行ってきましたが、最近はiDeCo(個人型確定拠出年金)やNISA(少額投資非課税制度)、来年から始まる「つみたてNISA」などをきっかけに投資を始めた人や、始めようと考えている人も増えています。

 自著『臆病な人でもうまくいく投資法』で取材したゆかりさん(30代、公務員、夫と息子の3人暮らし)もその一人です。

 ゆかりさんも、スバルさん同様、「老後のために蓄えたい」と思ったのが投資に興味をもったきっかけ。同郷の夫と「退職したら田舎に帰って庭付きの一戸建ての家を買いたいね」と話しているそうです。庭で野菜をつくったり、趣味の観劇や登山を楽しんだりしたいので、お金にはゆとりを持っておきたい。ただ、投資にはまとまったお金や時間が必要というイメージがあり、なかなか踏み出せなかったそう。

 そんなとき、立ち寄った郵便局で目にしたのが「NISA始まります」と書かれたポスターでした。ポスターには「投資信託ならドルコスト平均法(※1)で毎月1万円から同じ金額ずつ積み立てられる」という説明がされていました。

 個別の株を買わなくてもいい投資信託という選択肢があること、1万円という少額から投資できること(※2)、一括で買わなくても、積み立てで買っていくこともできることを初めて知ったそうです。

投資はできる範囲でコツコツと (C)PIXTA

 「1万円なら私でも投資を始められるかな、と思って、投資のハードルが下がりました」とゆかりさんは言います。

※1「ドルコスト平均法」: 投資信託や株式のように価格が変動するものを定期的に一定の金額ずつ買い付けていく方法のこと。一度、商品や金額、銀行口座(または証券会社の口座)を指定すれば、あとは自動的に毎月一定の金額で投信を購入していける。
※2 2017年9月末現在、ネット証券などでは100円から始められる。

「預金に手を付けない」「できるだけ楽をする」

 そこから、投資やNISAについて勉強しようと、日経新聞の特集記事を読んだり、ネットで情報収集をしたゆかりさん。その際、インデックスファンドやETF(上場投信)を使えばあまり手間をかけなくても世界中の株式などに分散投資ができることを知り、大手ネット証券の一つに口座を開設し、投信の積み立てを開始しました。

 ゆかりさんは生活費の2年半程度の預金がありましたが、まとまった金額を投資に回すと気持ちが大きく動揺しそうだと思い、これまで貯めてきた分はそのまま預金に置いておき、これから積み立てる分の一部として、まずは毎月1万円から投資信託の積み立てを始めることにしました。

 商品として選んだのは先進国株式、新興国株式、日本債券、先進国債券などの合計8資産に12.5%ずつ均等に投資を行う「バランス型」の投信でした。日本株や海外株などのインデックスファンドを自分で組み合わせて運用するという選択肢もありましたが、今は仕事と子育てで手いっぱいなので、投資ではできるだけ楽をしたいと思ったからです。