起業家の奥田浩美さんが提案する、「会社を辞めないという選択」。会社に所属しているほうが、様々な人とつながりやすく、より大きく社会を変えられる可能性を秘めていると奥田さんは言います。あなたの強みを会社で生かすには? 会社を“使って”自分の夢をかなえるには? 書籍『会社を辞めないという選択―会社員として戦略的に生きていく』の中から、明日からすぐに仕事が好きになれる働き方を提案します。

会社はチーム戦のためにある

 今いる会社で仕事をし続けるためには、あなたがなぜそこにいるのかというところまで立ち戻って考えてみる必要があります。そこでその前にまず、会社で仕事をするとはどういうことなのかを理解しておきましょう。

 そもそも会社を設立するということは、そこに何らかの形で人とお金を集め、それで事業をするためだったはず。つまり会社の多くは、チーム戦のためにあるものなのです。

奥田浩美(おくだ・ひろみ)さん
インド国立ボンベイ大学(現州立ムンバイ大学)大学院社会福祉課程修了後、1989年に国際会議の企画運営会社に入社。1991年、ITに特化したイベントサポート事業を設立。2001年にウィズグループ、2013年にたからのやまを設立。2014年より、情報処理推進機構(IPA)の未踏IT人材発掘・育成事業の審査委員を務め、若い世代の新たなチャレンジを支援している。これまでに携わったITイベントの数は300以上。数億円規模のイベントをいくつも成功に導いている

 会社だけではありません。その中の一つひとつの部署もまた、チーム戦を戦うために存在しています。

 だから会社員であるあなたは、チームの一員なのです。そのことをはっきり意識してください。

 会社員という立場を語るとき、よく「会社vs.個人」「大きな組織vs.という位置づけをすることがありますが、そのとらえ方はチーム戦には邪魔になります。

 例えば、あなたがプロ野球の球団に所属する選手だったとします。チームのメンバーである選手たちは、当たり前のように一人ひとりがチームのために成果を上げて、ともにすべての試合を勝ち抜いていこうと考えていることでしょう。メンバーがいて初めてチームが成り立っているのですから、「自分たちのチームvs.試合相手のチーム」という考え方はしても、けっして「チームvs.メンバー」という考え方はしないはずです。

 私が言いたいのは、この「vs.思考を止めようということです。二極の対立としてとらえることが、チームとしてまとまって動くことを阻害していると感じるのです。

 「会社vs.個人」もそうですし、「スタートアップvs.大企業」「男vs.女」「都会vs.地方」等々、数え上げたらきりがありません。このvs.の枠をはずして、もっとたくさんのカテゴリーが世の中にはあり、それぞれの価値観があるということを、私自身は表現していきたいと常々考えています。