会社に自分の力を反映させていくには

 会社のイメージを語るなら、ちょうどマグロに恐れられたあの大きな魚です。小魚の群れで構成されていた大きな魚は、マグロにとってはあくまでも一匹の魚です。個人の集まりである会社が、社会という大きな枠組みで見れば一つの「個」であることとよく似ています。

 スイミーたちがその時々で小魚の群れになったり、大きな一匹の魚になったりするように、会社をどうとらえるかという発想もその時々で変えていけばいいのです。大きな魚がマグロを撃退するほどの力を持つように、会社もまた、一つのアイデンティティを持った塊として、今までなかった面白いものを生み出す大きな力を持てるのです。

 会社のために働く、会社に貢献すると言うと、あたかも一人ひとりの個性を捨てて生きることのように錯覚しがちですが、それは違います。個性を失うことなく、みんなが一丸となって働くことで、より強い力を発揮できます。もちろん、いつもいつも一様に塊で動くのではなく、必要に応じて一人ひとりが別々に個性を打ち出していく場面だってあるはずです。

 そうだとしたら、自分の個性を会社でどう生かせるのか、どうしたら会社に貢献できるのかを、改めて考えてみることには大きな意味が出てきます。会社というのは自分ではけっして動かせないものではなく、自分の力を反映させることもできるし、自分もともに何かを作っていくことができるからです。