何をやりたいかによって、会社員の道を戦略的に選ぶ

 それでは、会社に居続けるか、起業するか、どちらを選ぶべきかはどうやって決めるのかということになります。

 一つには、自分がどんな仕事をして、何を達成したいのかによって決める方法があります。

 例えば、2020年に東京オリンピック・パラリンピック開催が予定されていますが、あなたがオリンピックのプロデュースに関わりたいと考えているとします。

 開会式や閉会式ではさまざまなパフォーマンスが繰り広げられることになるでしょう。相当な規模の資金と人材とを動かし、こうしたセレモニー全体の運営を取り仕切る立場は、広告・イベントなどを手掛ける大企業にいてこそ手に入るものだということは容易に予想がつきます。

 一方、そのセレモニーの中のダンスパフォーマンスの振付を担当したいということなら、中小企業の会社員でもフリーランスでもいいでしょう。あるいは、そのセレモニーの中のコンテンツ構成を担当したいということなら、小さな個人事務所の形態やフリーランスでも、十分チャンスはあります。

 つまり、自分自身が何をやりたいかによって、会社員という生き方を選ぶ手もあるのです。会社にいなければできないこともたくさんあるからです。

 「歴史や規模のある企業では、シリコンバレー型ベンチャー企業と同様のスピード感は望めない」と思われるかもしれませんが、実は一概にそうとは言えないのです。大企業が、いざ実行を決めて動き出すと、そのスピードに目を見張らされるはずです。

 なぜなら、それだけの資金力や販路を持ち、たくさんの人に自社の商品やサービスを知らせることにかけては強みを持っているからです。