起業家の奥田浩美さんが提案する、「会社を辞めないという選択」。会社に所属しているほうが、様々な人とつながりやすく、より大きく社会を変えられる可能性を秘めていると奥田さんは言います。あなたの強みを会社で生かすには? 会社を“使って”自分の夢をかなえるには? 書籍『会社を辞めないという選択―会社員として戦略的に生きていく』の中から、明日からすぐに仕事が好きになれる働き方を提案します。
人が求めているものを知るために
前回「あなたの仕事の社会的意味を伝える方法&その効果」に引き続き、仕事で社会に影響を与える方法についてお話します。
社会に影響を与えるということは、自分たちのモノやサービスの価値をできるだけ多くの人々にわかってもらうことです。それでは、多くの人々にとって価値あるモノやサービスを生み出すには、どうすればいいでしょうか。
多くのビジネスは、隙間を掘り下げてみたときに、「なかったね、こんなの」というモノやサービスを見つけることが出発点となります。ただし「なかったね、こんなの」で留まってしまっては意味がない。「なかったね、こんなの。でも欲しかったね」と多くの人が共感してくれるところからビジネスが始まるのです。
どんなビジネスを始めるときでも同じです。社会が、人々が、今までになかったけれど実は求めているものを知れば、それがビジネスになり得るということです。
人々が求めているものを知る一番の近道は、たくさんの人を知っていることだと私は思っています。といっても、実際に何人の人と知り合いか、どれほどの人脈があるのか、といった単純な意味ではありません。日本で、あるいは世界で、どんな人たちがいて、どのような動きをしているのか。その人たちがどんな現象を起こしているのかを知ることです。