「自分らしくいられることを仕事に」のワナ

 ではなぜ、「すでに得意なこと、好きなことで仕事をしたい」という考え方は止めるべきなのか? その理由を説明します。よく世の中で「好きなこと・得意なこと・自分らしくいられることを仕事にしよう!」と言われますが、そんなに大好きなことを仕事にできる人は、本当は僅かなのではないかと、経験から感じています。むしろ、「好きなこと・得意なこと・自分らしくいられること」なんて追求する必要はない。自分らしさにこだわって、「これは向かない」「これは嫌い」「これはできない」「これは感覚が違う」「これは実績が無い」と言っていたら、人生先細りするばかりです。

 先細りした自分の中から「自分探し」をして、「自分らしさ」と対話する人生を送り続けるくらいだったら、まずは行動して、「あれもこれも意外と好きになれる部分はあるものなのだ」と発見していく中に、仕事で必要とされることが見いだされていくと思うのです。ですので、あえて「好きと言える小さな部分」と書きました。

 あなたの仕事の中で、あなた自身が好きと言える小さな部分はどこですか?
 あるいは、これから好きになれそうな部分はどこですか?

 このことをぜひ考えてみてください。小さなことでも構わないので、コツコツ積み重ねていくというマインドを持っていると、あなたの強みや得意分野が見えてくるのです。

<次回に続きます>

文/成田真理 写真/PIXTA

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