プロジェクトごとにチームを結成していく働き方

 戦後の復興期から高度成長期にかけての1950年代、60年代には、日本でも制圧型組織が主流でした。同じ時刻に工場に集合し、一斉に機械を動かして、みんなが足並みをそろえて大量にモノを生産していく時代には、制圧型組織でしっかり統率するということが必要だったのです。

 しかし今、時代は変化しています。同じモノを大量に生産するのではなく、新しい発想で商品・サービス開発、市場の新規開拓に取り組むことを世の中から求められるようになり、昔ながらの統率の方法が残る企業にはひずみが出てきているのが現状です。ですから企業側も、制圧型組織を見直したり、社外から新しい風を吹き込んで組織を変えていくなどの工夫を余儀なくされています。

 かつては部署ごとに担当が明確に分かれていても何の不便もありませんでしたが、これからはそういう考え方も変えていく必要があります。新商品、新サービスを開発する際には、その開発プロジェクトごとに必要な人材を社内から募り、チームを結成していくという柔軟な動きがふさわしくなってきました。これこそが、共創社会のあるべき姿です。