あなたは選択のステージに立っている

 そういった意味で考えると「会社を辞めない選択」という以前に、「会社でこそ何かをやる選択」というのも常に意識しておく必要があるということです。他に選択することがないから動かないのではなく、なぜ自分がそこにいるのか、なぜ自分が今の仕事をしているのか、同じ場で仕事を続けることも“能動的な選択”であると捉えるべきなのです。

 そういう捉え方をしていれば、どの立場にいても自分が社会の一員であり、主体であることを意識するでしょう。

 つまり、一番大切なことは、今あなたが考えている選択や、選択した結果と真剣に向き合う事です。もしかすると、選択した直後に後悔することもあるかもしれません。しかしながら人生の中で、連続して選択を続ける限りは、失敗した選択も次のチャレンジの発射台で、次の正しい選択をするためのステップにすぎません。

 選択はあなたの人生を楽しくするチャンスです。まずは今いる環境で何ができるか考えてみませんか? そして、他の選択も見えているときはその環境と向き合う絶好のチャンスです。自分は何を持っていて、何が足りないのか。今の環境の何が優れていて、何が劣っているのか。そうやって一つひとつのステージで自分の課題と真剣に向き合いながら、選択していくことが大事だと思います。

 「会社を辞めないという選択」というこの連載を読んでいるあなたは、何か理由があったに違いありません。なんらかの選択のステージに立ったあなたは、一つのチャンスを見つめる場に立っているとも言えます。