5月21日、22日の2日間にわたり、東京ミッドタウン(東京・港区)で開催された「WOMAN EXPO TOKYO 2016」。5月21日に日経WOMANの人気連載「壁ドン! 世界史入門」の特別トークセッション「池上彰×増田ユリヤ 誕生するか? 米国初の女性大統領」が開催。日本の報道だけでは見えてこないアメリカ大統領選挙戦のリアルについて、二人のジャーナリストが熱く語りました。

日経WOMANの人気連載「壁ドン! 世界史入門」の特別トークセッション

 あなたはワイン派? ビール派? 実はこれ、アメリカの政治を語るときによく使われる問いかけなのだという。

 ワイン派というと、インテリ、お金持ち、スノッブなイメージ。それに対しビールは庶民派。もともとは、ワイン派=民主党、ビール派=共和党として語られていた。しかし、今回のアメリカ大統領選挙では、民主党の中にもワイン派(ヒラリー)vs. ビール派(サンダース)の構図があるのだという。

三者三様の支援者たち

池上:2016年11月8日の本選挙に向けた各党のアメリカ大統領候補の指名争いは、共和党は実業家で大富豪のドナルド・トランプ氏でほぼ決まり。民主党は前国務長官のヒラリー・クリントン氏に決まりと思いきや、バーニー・サンダース氏がでてきたことで、ヒラリー氏が苦戦しています。

増田:ニューヨーク州の予備選挙を取材に行ったのですが、クリントン氏の事務所は、マンハッタンのウォール街にあるビルのワンフロア。そこには元弁護士やHIVの研究者など自分の肩書をとうとうと語る、いわゆるエリートさんたちがいました。

 一方、サンダース氏の事務所は、ブルックリンの工場跡地に4月にようやくできたところで、「今週は40時間の有給をとって来ているよ。人生でこんなに夢中になったことは初めて」と話す32歳の男性など、ごく普通の人たちが集まっています。支援者の集会には、「99%」と書かれた帽子をかぶった人もいましたね。

池上:「We are the 99%(我々は99%だ) Occupy Wall Street(ウォール街を占拠せよ)」と抗議した人たちのスローガンですね。国民の1%ほどのウォール街にいるような大富豪たちが、残り99%の犠牲の上に、より裕福になっていくとして、2011年に経済格差是正を求めて起こったデモです。支持者たちは、サンダース氏がその99%に属する人たちの味方だと訴えているのでしょう。

増田:一方、共和党のトランプ氏は、低所得者の所得税ゼロや不法移民の強制送還などを掲げているので、一般的には、白人の低所得者層の男性が支持層と思われていますが、実際に集会に行ってみると、「1%」の高額所得者層にも支持が広がっていました。ただ、トランプ支持と分かると批判されるので家族にも言えないと(笑)。