5月20日(土)、21日(日)に東京ミッドタウンで行われた、働く女性を応援するイベント「WOMAN EXPO TOKYO 2017」。キャリア、美容、健康など幅広いテーマでお届けしたセッションの中から、「キレイも元気も手に入る腸活講座 決め手は食物繊維! そのパワーととり方を名医が紹介」の様子をリポートします。

 本セッションで取り上げたのは、「腸」と「食物繊維」に関する最新情報。両者はこの15年ほどの間に研究が進み、それまで知られていなかった関係や、健康への影響が明らかになってきているといいます。専門家の立場から、マリーゴールドクリニック院長の山口トキコさんが解説してくれました。

マリーゴールドクリニック院長の山口トキコさん
マリーゴールドクリニック院長の山口トキコさん

 日本人の食物繊維摂取量の目標値は1日18~20グラム。しかし2012年の平均摂取量は約14グラムで、1955年と比較すると10グラムも減っています。「食物繊維は野菜から取るものという意識がかなり定着していると思いますが、実は穀類からの摂取量が大きく減っています」と山口さん。

 食物繊維は不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の2種類に分けられます。不溶性は玄米や大豆、ゴボウ、カニ、キャベツ、りんごなどに多いもの。水溶性は「ネバネバ、さらさら」が特徴で、海藻類やこんにゃくの原料、オクラやヤマイモなどに多く含まれています。私たちがよく食べるものの中には不溶性が多く、「不溶性:水溶性=2:1」が理想的な摂取バランスといわれています。

「不溶性食物繊維は腸を刺激して活発にするので便秘予防につながります。水溶性食物繊維は腸の中をゆっくり進み、糖の吸収や食後の血糖値上昇を抑えたり、LDLコレステロールや胆汁酸を吸着して体外に排出したりする働きがあります」(山口さん)