自分で自分の可能性にフタをしないで

 そして及川さんは後輩世代の働く女性には、「自信を持ってほしい」とアドバイスします。

 「『無理!』と思ってから力が出るのが我々、女性だと思っています。自分で自分の可能性にフタをしないでください。仕事柄、それこそ数万人の働く女性たちを見てきましたが、本当に可能性は無限大だなと。『できない』と思わず『やってみよう』と思っていただきたいです」(及川さん)

個人事業主という選択

 講演の後半では、もう一人の女性リーダーであるゲストが登場。ポーラ エステインあすみが丘店ショップオーナーの山岸彩さんです。山岸さんは千葉県で4店舗をマネジメントするリーダーであり、経営者。月商約960万円を売り上げる38歳で、現在シングルです。

 ポーラのショップオーナーとは、会社に雇用されない個人事業主という働き方。報酬は、化粧品の販売やカウンセリング、ショップの経営に対しての手数料という形で支払われます。現在は働き始めたばかりの人を金銭的にサポートする支援制度もあるそうです。

 「ポーラで働くきっかけは、約10年前に田舎の嫁ぎ先で何か働きたいと求人を探したこと。会社員の経験もありましたが、個人事業主という言葉はよく知りませんでした。当初は固定給ではなく、年金や保険も会社員とは違う点に困惑しました。今は頑張っただけ報酬があり、分からないことは研修で解決できるのがありがたいです」(山岸さん)

仕事のやりがいは人の役に立てたと実感できること

 山岸さんはポーラの仕事を通じて、最初はネガティブだったお客様がどんどん女性として輝いていくのを間近で見てきました。

 「一人の女性の人生を少しでも変える手助けができたのかなと思ったとき、これ以上のやりがいはないと感じました。店舗をまとめるオーナーになったきっかけは、4年前に、組織をつくっていく道もあると教えていただいたこと。最初は『今の私じゃ、そんな、そんな(大きな仕事は無理です)』と。でも考えてみると、今まで『そんな、そんな……』のときに始めたことが、必ず成功してきたんです。だから、チャンスをものにするのは私の決断次第なのかなと」(山岸さん)

リーダーとしての醍醐味

 山岸さんはマネジメントをするリーダーとしての醍醐味を、どのように感じているのでしょうか?

 「自分の成長だけでなくスタッフの成長も手に取るように分かることです。自分には子供がいませんが、子供のように育てていけるスタッフがいることが幸せです。スタッフにはそれぞれの段階でぶち当たる壁がありますが、自分の経験からアドバイスできることが多いです。今後のビジョンとしては、千葉駅前にポーラビルを建てるのが夢です。イメージは輝く女性が働き、集まる場所。託児所があったり、女性が10年、20年後のことを相談できたり」(山岸さん)