高い輸入食材に頼らなくても、スーパーフードは身近にある

 続いては、創業70年の水産事業の老舗、合食の菱田裕子さん(同社食品事業部 商品戦略部 部長)が、今注目の新しい食習慣「ヘルシースナッキング」について紹介しました。

合食 食品事業部 商品戦略部 部長の菱田裕子さん
合食 食品事業部 商品戦略部 部長の菱田裕子さん

 「アメリカでは一日3食の間に積極的に間食を取り入れ、空腹感による食べ過ぎ、いわゆるドカ食いを防止する、『ヘルシースナッキング』という食習慣がトレンドになっています。一回当たりの間食は200キロカロリー以下にするのがおススメ。ナッツやドライフルーツ、グラノーラバーなど必要な栄養素も上手に補いながら、ヘルシーにおやつを取る人が増えているそうです。この新しい食習慣に当社は着目し、現代人が不足しがちなビタミン、ミネラルを多く含む、わかめやごぼう、黒豆、いわし、するめなどを使い、1袋100キロカロリー以下に抑えた素材系のヘルシースナックを開発しました」

 食物繊維やカルシウム、タンパク質などを多く含んだ商品で、いずれも素材をまるごと使っており、かみごたえのあるものが多いのも特徴。よくかむことで空腹感が抑えられ、脳血流のアップなども期待できそうです。「ダイエットや健康にも役立つヘルシースナッキングは、罪悪感なく食べられるおやつ習慣として、カロリーの取り過ぎを気にする女性たちの注目を集めています」

 そして最後のスピーカーとして登場したのは、今回の簡単ヘルシーお弁当を考案した、管理栄養士・調理師であり、京都の老舗料亭「菊乃井」の常務でもある堀知佐子さん。忙しい働く女性にうれしい、手軽で栄養たっぷりのお弁当作りのコツを教えてくれました。

簡単ヘルシーお弁当を考案した、管理栄養士・調理師であり、京都の老舗料亭「菊乃井」の常務でもある堀知佐子さん
簡単ヘルシーお弁当を考案した、管理栄養士・調理師であり、京都の老舗料亭「菊乃井」の常務でもある堀知佐子さん

 まず、堀さんが会場の皆さんに向けて「毎日、会社にお弁当を作って持って行っている方は?」と質問すると、3分の1ぐらいの方が挙手。すると、堀さんの「素晴らしい!」の一声とともに、簡単なお弁当のおかずの下ごしらえについてアドバイスが始まります。

 「朝は忙しいので、お肉や野菜などは前日に切っておくといいですよ。実は素材を切るのが一番時間がかかりますし、野菜などは前日に切って水洗いをし、ビニール袋に入れ、しっかり空気を抜いて冷蔵庫に入れておけば、鮮度や栄養素の含有量はほとんと落ちません。鶏の唐揚げを作るなら、切ったお肉を同じようにビニール袋に入れておしょうゆで下味をつけておく。お肉にはもともとうまみ成分があるのでおしょうゆだけで十分です。このまま冷蔵庫で一晩置けば、傷まずに味も染み込みます」

 それから、今回のヘルシーお弁当で使用した4つの食材の作り方やコツを一つひとつ紹介。「昆布や豆腐、大麦、鮭……。これらは昔から日本人が食べてきた、スーパーフードなんですね。食経験のない真新しい輸入食材に飛び付かなくても、大切な栄養素をたっぷり含んだスーパーフードは身近にある、ということをぜひ皆さんに再認識していただきたいです」と締めくくりました。

文/伯耆原良子 写真/稲垣純也