空間の仕切り方で、「部屋数」も変わる

 部屋の仕切り方にも、さまざまな方法があります。例えば、広いリビング・ダイニングでも、家具で軽く間仕切りをして、用途の違うコーナーをつくることができるのだそう。

 「上下方向で空間を切ることもできます。例えば2階建ての家では、どこかで折れ曲がった階段を作ることが多いのですが、階段の3段目で折れ曲がるようにして、そこを少し広く取ると、書斎などに使える不思議な空間ができます。床の高さを変えるだけで、2部屋あるかのようなインテリア空間になるのです」

マンションと戸建てのリフォーム例も

 続いて河崎さんは、「デザインから入るリフォーム」として、プロダクトデザイナーの喜多俊之氏とコラボレーションしたプランでの事例を紹介しました。福岡にあるRC造(鉄筋コンクリート造)のマンションで、LDKのフローリング、キッチン、インテリアのトータルデザイン、主寝室の収納、玄関をリフォームしたものです。

 「まず玄関は広く、キッチンは対面になりました。主寝室にも、しっかりと収納を用意しました。2畳くらいですが、収納があるだけで非常にすっきりとします。犬がひっかいて傷だらけになっていたLDKのフローリングは、ペット対応の床材にしています。照明も喜多先生のコーディネートとなっています」(河崎さん)

 もう一つ、戸建ての事例も紹介しました。LDKや和室、洗面所、お風呂場などをリフォームしたものです。全体の面積は変わらないものの、洗面空間が非常に使いやすくなったのが特徴的だということです。

 「実はお風呂の壁が少し薄くなっているんです。それによって、湯船の大きさはあまり変えないままで、洗面空間を少し広くすることができました。また、開き戸だった扉を引き戸に変えたことで、棚を設置できました。扉を変えるだけでこんな空間が生まれるのです。洗面所に収納があると、家族みんなの着替えを入れることができるので、本当に便利です」

「収納室をリフォームで追加すると、生活が便利になります」
「収納室をリフォームで追加すると、生活が便利になります」

 インテリアを重視した住まいづくりやリフォームを視野に入れるなら、実物を見たり、専門家に話を聞いたりするのが一番。河崎さんは、「錦糸町の展示場はフロアごとにインテリアが違う4階建て。最新のインテリアを実際に見ることができるので足を運んでください」と話します。また、グランフロント大阪にある「住ムフムラボ」についても紹介。暮らしやインテリアに関する2800冊もの本があるほか、研究員が暮らしの相談に乗っているそうです。

文/飯田樹 写真/辺見真也