生理前後の不調を改善するには?

 生理周期の中でも、「生理前と生理中が嫌」という女性が多いそうですが、生理痛で会社を休みたくなってしまうという人には、「まず一度、婦人科にかかってほしい」と高尾さん。

「生理で不調を感じる人は、婦人科にかかってください」(高尾さん)
「生理で不調を感じる人は、婦人科にかかってください」(高尾さん)

 「病気があって生理が重いのか、病気がなくて生理が重いのかをはっきり分ける必要があります。生理が重くなる病気の代表は子宮内膜症ですが、それなら治療を始めたほうがいい。生理が来るたびに悪化することを食い止めることもできるし、生理痛の症状を緩和することもできます」(高尾さん)

 一方で、若くて出産経験のない人で生理が重い人も多いのだとか。子宮の出口が硬く、子宮の過剰な収縮につながっていることが理由です。そういう人は、「痛み止めを上手に使うのは選択の一つだと覚えていただきたい」と高尾さんはアドバイスします。

 生理前のプロゲステロンが出ている時期に体調がイマイチだと感じる「月経前症候群」(PMS)については、原因がはっきり分かっていないそうです。ただ、「プロゲステロンが多くの不調の原因の一つになっていることは間違いない」のだそう。解決法はあるのでしょうか?

 「PMSを解決する方法として、婦人科の医者が提案するのは低用量ピルです。もともとは避妊目的に作られた、エストロゲンとプロゲステロンの合わさったお薬です。これによって体はエストロゲンもプロゲステロンも出ていると錯覚するため、排卵も起こらなければ、それ以降のプロゲステロンが出る期間もなくなります。

 そのため、生理前に調子が悪い人や生理の量が多い方、生理痛がつらい方、生理がバラバラでいつ来るか分からない方に勧めており、いろいろな治療の選択肢の一つとなってきています」(高尾さん)