インスタ初心者に「ストーリーズ」がおすすめな理由

 とはいっても、インスタグラムを使い慣れていないと「ストーリーズ」という機能自体よく分かりませんよね。取りあえずインスタグラムをダウンロードはしたけど、ほとんど使っていないという人も多いのではないでしょうか。

 そこで、この機械を開発したSnSnapのアカウントプランナー 京野邦貴さんにお話を聞きました。京野さんによると、フェイスブックやツイッター、インスタグラムなどのSNSにはそれぞれ異なる役割があり、以下のように使い分けている人が多いそうです。

フェイスブック……会社や取引先の人をフォローしてビジネスシーンで活用する
ツイッター……友人同士でフォローして日常生活の中で感じたことを書く
インスタグラム……グルメや旅先など思い出の画像や動画を投稿してより多くの人に紹介する

 フェイスブックやツイッターと違い、インスタグラムは心動かされた画像を直感的に投稿できるSNSです。自分の好きなものやアピールしていきたい側面をストレートに表現できるため、自己表現がしやすいSNSとして普及しました。中でも、オシャレなものや美しいもの、かわいいものに敏感な女性の利用率が高いそうです。

 しかしインスタグラムの利用者が増加するにつれ、画像の加工技術が高まり、ハイレベルな写真に注目が集まるようになりました。その結果増えたのが、華やかなスイーツやリゾートなどの非日常的な画像です。

 そこで、生活感のある投稿を気軽にできる「ストーリーズ」という機能が登場しました。ここに画像や映像を投稿するとスライドショー形式でまとめられ、自分の今の姿を簡単に伝えることができるそうです。

 さらに、24時間たつとデータは自動的に削除されます。京野さんによると、フェイスブックやツイッターよりも気軽に投稿できるようになり、インスタグラムの使用範囲が広がったとのことでした。

 今までインスタグラムを使った経験がなくても、「ストーリーズ」なら簡単に始められそうですね。

消費者からの発信がプロモーションにつながる

 今回WOMAN EXPOで使用されたSnSnapの撮影機器は、プロモーションツールとしても注目が集まっています。今までは公式ホームページや公式SNSなどで、企業側が用意した情報を一方的に伝えるのが主流でした。

 しかしSnSnapの撮影機器を利用すれば、商品のファンである消費者が自らインスタグラムに画像を投稿し、消費者同士のやり取りによって情報が拡散されていきます。その効果に目を付けたラグジュアリーブランドが展示会等で多数使用し、その後、業界を問わずさまざまなメーカーや企業に広まったそうです。

 「ここ3年間の導入事例は約750件を超えました。#MagicClipは、今年は東京ドームにも設置されています。読売ジャイアンツのマスコットキャラクター、ジャビット君や、チアガールのジャイアンツヴィーナスの映像と自分の姿を合成できる企画で、幅広い年齢の方々が楽しまれています」(京野さん)

 京野さんによると、その他にも、飲料メーカー、大手カフェチェーン、通信サービス会社などのイベントで利用されているとのこと。最近ではスポーツ団体からの引き合いが多く、中でも特に、日本相撲協会との取り組みで両国国技館に設置された力士の映像と自分の姿を合成できる撮影機器は人気を集めたそうです。

 企業側が一方的に情報を伝えるのではなく、消費者が心から楽しみ、自分から情報を発信していくことが、これからのプロモーションのあるべき形なのかもしれませんね。

 インスタグラムも、「ストーリーズ」も、使い慣れるまでに時間はかかりますが、今までとは違う新しい情報源になり得るツールです。働く女性としても、生活を楽しむ消費者としても、SNSに関する知識は少しずつ蓄えておきたいもの。WOMAN EXPOのようなイベントで撮影機器を見つけたら、ぜひ挑戦してみてくださいね。

文/華井由利奈 写真/稲垣純也