近年は「卵子凍結」という選択をする人も

 卵子の老化対策として、「受精卵の凍結保存」という選択肢があります。最近では「3年前に凍結させた受精卵を使って授かった赤ちゃんです」というような話は一般的になってきたと善方さんは言います。

 「現在の日本では『受精卵』の凍結保存は認められていますが、『卵子凍結』については疾患によって卵巣機能が喪失する可能性のある女性(例えば抗がん剤を使用する場合など)に限られています」(善方さん)

 一方、不妊原因の約半分は「男性因子」でもあると、善方さん。

 「男性不妊の一番の原因は、加齢ではなくストレスだといわれています。そのため家庭でも、お互いにストレスフリーでいられるような関係性を築くことを心がけてみてください」(善方さん)

ストレスフリーな関係性を築くことが大切、と善方さん
ストレスフリーな関係性を築くことが大切、と善方さん

自分のライフステージを知ろう!

 妊活をする上では、自分の「ライフステージ」を知っておくことも重要だと善方さんは言います。

 「女性ホルモン『エストロゲン』の分泌量は、妊娠というミッションのために毎月変化するだけではなく、一生を通しても大きく変動していきます。このエストロゲンは、思春期に急激に増加し、性成熟期はその量を保ちますが、更年期になると急激に減少し始めます」(善方さん)

 一生を通して変化するエストロゲンの波は、人間の生物学的プログラムの波。個人差はあれど、誰もその波に抗うことはできないため、「自分が今どの辺りにいるのか。ライフステージをきちんと把握し、卵子の老化を進ませないための対策をとることが重要」なのです。