「昆布のうまみ成分『グルタミン酸』は、胃のセンサーに働きかけて過食を防止。また、だしにうまみがあることで、塩分を半分にしても、同じだけのおいしさを感じるという研究結果もあります」

 なお、ひと口に北海道産昆布と言っても、取れる場所によって種類はさまざま。これによって、見た目も用途も変わってくるそうです。西村さんのオススメは、厚過ぎないため火が通りやすく、だしも取りやすい日高昆布だとか。その他の種類も用途に合わせていろいろ試すと、「知られざる昆布の世界が開けるはずです」

昆布は取れる地域によって、特徴が違います
昆布は取れる地域によって、特徴が違います

超簡単! うまみたっぷりの昆布だしを取る方法

 女性にうれしい栄養素がいっぱいで、おいしくてヘルシー。ただ、「日常的に昆布だしを活用したいけど、いちいちだしを取るのは面倒……」と思う人もいるのでは?

 「昆布だしの取り方は主に二つ。水だしはとっても簡単で、お水にただ昆布を入れておけば数時間でだしが完成します。もう一つの湯だしは、すぐおだしが必要なときに便利な方法。鍋に水と昆布を入れて沸かし、沸騰してきたら引き上げるだけでできます」

 こうして取れた昆布だしにプラスすると、さらにおいしくなるのがかつおだしだとか。

 「昆布に含まれるグルタミン酸と、かつお節に含まれるイノシン酸は『うまみの相乗効果』をもたらすもの。イノシン酸はかつおの他、お肉にも含まれているので、意外かもしれませんが昆布とお肉の相性もバッチリなんですよ」

 西村さんがおススメしてくれたレシピは二つ。一つ目は、塩コショウをして小麦粉をまぶした鶏モモ肉を両面焼き、玉ねぎ、パプリカ、だし昆布、トマトホール缶を加えて20分ほど煮込んだ「昆布とチキンのコクうまトマト煮」。二つ目は、鶏ひき肉、とろろ昆布、塩コショウ、ゴマ油を混ぜて作ったつみれと、白菜やきのこなどの野菜を、だし用昆布と水、酒、塩を入れた鍋に入れて煮込んだ「ダブル昆布鍋」。いずれも、たっぷりの栄養を取れる簡単なレシピです。

 「パスタをゆでるときに入れたり、炊き込みごはんに刻み昆布を入れたりと、レシピは無限大」と、西村さん。なお、昆布のレシピは「北海道ぎょれん」の「おすすめレシピ365」 の中から検索できるので(記事末参照)、皆さんもぜひチェックしてみてくださいね。

美肌、疲労回復…海の幸に含まれる栄養素

 続いての登壇は、「海の恵み弁当」のレシピを考案したフードディレクターの川上ミホさん。「海の恵みでキレイになろう、ヘルシーな海の幸の魅力と毎日の食卓に活かす5つのポイント」と題し、海産物の注目すべき栄養価や、食卓に取り入れやすくするコツを教えてくれました。

 川上さんによると、「海に囲まれ、寒流と暖流がぶつかるエリアに位置する日本は、まさに海産物の宝庫」。漁業が行える排他的経済水域面積が広いこともあり、古来、魚介類を食べる文化の形成につながっているそうです。

海に囲まれた日本は、まさに「海産物の宝庫」です
海に囲まれた日本は、まさに「海産物の宝庫」です

 実際に、動物性食品の中で、どの食品群からどんな栄養素を取っているかを見てみると、ビタミンBとビタミンEは、魚介類からの摂取量が多いとか。

 「さらに、ビタミンD、肌の代謝や疲労回復の助けとなるビタミンB12は、魚介類からの摂取量が群を抜いています。水産物に含まれる主な機能性成分を見ても、鮭などに多く含まれるアスタキサンチン、ワカメや昆布に含まれるアルギン酸の他、ミネラル群なども種類が豊富。女性に必要な栄養素がたくさん含まれているんですよ」