賢女なれども恋愛下手

 今回のインタビュー相手である山中弘子さん(仮名、38歳)にも、都内にある老舗中華料理店でランチをしながら話を聞きました。グルメな女性なのでお店選びには少し緊張しましたよ。

 僕は10年ほど前に弘子さんと知り合いました。広告制作会社で働いている弘子さんは、知的で控えめでよく気が付く素敵な人です。たまに会うと、センスのよい手土産をくれたりします。

 しかし、彼女には愛すべき短所があります。長年の付き合いなのではっきり言わせてもらいますが、男性選びのセンスが悪い、というか惚れた男性に甘すぎるのです。1年前までは、4年近くにもわたって既婚男性と半同棲をしていました。その男性は弘子さんと交際中にさらに浮気をした相手と再婚。妻とは離婚して弘子さんとも別れる、という意味不明の結末を迎えています。

 賢い弘子さんがなぜ恋愛にだけはおバカさんになってしまうのでしょうか。誤解されないようにあわてて補足すると、弘子さんはだらしない女性ではありません。一人暮らしはかなりちゃんとしています。

 「朝食は食べたり食べなかったりですが、お昼は手づくりのお弁当を会議室で食べています。おかずですか? 作り置きしている野菜を詰めたり、玉子焼きや青菜を入れたりする程度です。ご飯は豆ご飯にしています」

 夜型の人も多い業界で働いていますが、弘子さんは生活のリズムを大切にしています。普段は残業を1時間程度に抑えているそうです。その代わり、午前中に集中して働くために、出勤前にヨガ教室に通っています。

 「会社近くの教室で、先生と私たち生徒4、5人でヨガをするのが日課です。のんびり歓談してから15分ぐらい体を動かすと、頭も体も調子がよくなります。私は低血圧で冷え性なので……。ヨガ教室で1日のリズムをつくってもらっているんです」