サラリと誘う既婚男性と恋に落ち

 そんな弘子さんは正也さんと別れてから2年後に、あるパーティーで好みのルックスをした男性から積極的に声をかけられました。それが昨年まで不倫関係にあった浩一郎さん(仮名)です。

 「不倫だなんて露骨に言わないでくださいよ……。彼はお祖母ちゃんとお母さんに溺愛されて育った人で、とても優しいんです。威圧的なところはまったくない男性ですよ」

 あのですね、弘子さん。妻がいるのに独身女性に手を出す男性が「優しい」のは当たり前ですよ。彼はあなたにも奥さんにも負い目があるんですからね。

 おっと、つい説教モードになってしまった。落ち着け、オレ。さて、浩一郎さんは弘子さんにどんなアプローチをしたのでしょうか。

 「それがすごく上手なんですよ。まずは普通に名刺交換しますよね。その後にメールのやり取りをしても、『今度食事に行きましょう』なんてあいまいに誘うのではなく、お店の候補を挙げて『来週はこの日とこの日が空いています。いつにしますか?』と具体的にサラッと話を決めていくんです。出会ってから2カ月後にはお付き合いをしていました。私は今、婚活をしていますが、彼のやり方はとても参考になるなと思い出しています」

 ちょっと待ってください。さらに浮気をして別の女性と再婚してしまった浩一郎さんのことを怒っていないのですか。もしかして、途中で自分にも新たな恋人ができて浩一郎さんは完全に過去になっている、とか? 弘子さんの真意は……来週に続きます。

文/大宮冬洋 写真/鈴木愛子

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