婚活がストレスに 無理に妥協はしない

写真/鈴木愛子
写真/鈴木愛子

 「相手に求める年収を650万円以上にしていたのですが、相談所の人にアドバイスをされて500万円以上に変更しました。でも、収入の話で気まずくなりたくはないし、年収が高い人のほうが生き生きしているのは事実だと思います」

 弘子さんの希望に沿ってお見合いを組むと、相手は50歳前後の男性が中心になるそうです。そうすると「若々しい」という基準に引っかかってしまいます。

 「顔のシミとかがどうしても気になってしまって……。やっぱり10歳も年上の男性となると難しいですね」

 通算で15人の男性とお見合いをして、弘子さんが「いいな」と思ったのは一人だけでした。海外経験も豊富な42歳。見た目も考え方もはつらつとしています。しかし、その人からは弘子さんがふられてしまいました。

 いま、弘子さんはその結婚相談所を休会しています。特に「婚活」はしていないそうです。

 「子どもが欲しいので焦って結婚相談所に入りましたが、この年齢では会える男性が限られていて、かえってストレスになると感じました。あまり深刻に考えずに、縁があった人と一緒に暮らせればと思っています。今後、もし誰かと結婚することになっても仕事は続けます。浩一郎さんとのお付き合いを通して、既婚者も浮気をする可能性があると痛感したからです(笑)。自分の食いぶちはちゃんと持っておかないと気持ちが保てません」

 僕は弘子さんと旧知の間柄ですが、久しぶりに会った彼女は以前よりも小粋にキレイになった気がしました。恋愛や結婚をあきらめたわけではないけれど無理に「妥協」はしない、自分の生活は自分でなんとかするから――。その覚悟が弘子さんの背筋をしゃんと伸ばしているのかもしれません。

文/大宮冬洋 写真/鈴木愛子

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