激務で転職も考えたが、働きぶりを認められて

 「女の厄年って言いますけど、30代前半は本当につらかったです。あまり予算がないのに忙しい部署で毎晩のように深夜まで働いていました。父が他界した頃だったので、週末は実家と東京の自宅の往復生活です。いつも体調が優れず、病院に行ったら『とにかく仕事を休みなさい』と忠告されました。うつ病にかかりかけていたのかもしれません。上司からも休むように言ってもらい、年末に1カ月ほど会社を休んだらようやく元気になりました」

 四年制大学を出て新卒で現在の化粧品メーカーに入った直子さん。その会社で18年間働き続けており、自社製品には「わが子」のような愛着があります。それでもつらかった頃は転職を考えたそうです。

 「自社製品が好きなので、同業他社に移る気はありませんでした。そうすると転職先は限られてしまいます。働きながら転職活動をするのも大変だったので、会社を辞めるのをやめることにしました(笑)」

 直子さんが会社で働き続けることを決めたのには前向きな理由もあります。8期上の大好きな先輩社員から「関根は最近いい動きをしているよね、と同期の集まりで話したんだよ」と言ってもらえたことです。

 「すごくうれしかったです。ずっと孤独感があったけれど、誰かが見ていてくれるんだなと思い直しました」