楽しく一緒に暇つぶしできる、安全で善良な男性たち

 「憂さ晴らしをしたいときってありますよね。そんなときに誘ってちゃんと来てくれる人たちです。お互いに楽しく暇つぶしをしています。最初は向こうから誘ってくるので、嫌な人でなければ拒む理由はありませんよね。みんな安全で善良な人たちです。お金がない人とは割り勘で飲んでいます」

 美絵さんのほうは「憂さ晴らしの相手」「楽しい暇つぶし」との認識ですが、男性のほうはもっと深い関係性を望んでいるはずです。それは美絵さんも分かっているのだと思います。

 このインタビューはエスニック料理店でお酒を飲みながら進めていますが、美絵さんは向かい合った僕を「爽やか」「カッコいい」「結婚しているのが惜しい」などとさかんに褒めてくれます。モテ慣れていないアラフォー男性としては体温が上昇するほどうれしいし、本気にして美絵さんにのめり込んでしまう人もいるでしょう。実際、美絵さんの男友達の中には「君が付き合ってくれるなら嫁とは離婚する」なんて発言する人もいるそうです。

 「もちろん、断っています。男性として好きなわけではないからです。でも、暇なときは食事に行きます。彼らはこういう放置プレーが楽しい人たちなんですよ」

 うーん、確かに楽しそうだけどちょっと不健全ですね。思わず美絵さんを「残酷だ」と非難してしまいましたが、もちろん男性のほうにも問題はあります。「付き合ってくれるなら妻と別れる」なんて卑怯です。保身です。本当に美絵さんのことが好きで、妻には愛情がなくなっているのであれば、まずは離婚して一人暮らしに戻るべきでしょう。ただし、「君のために別れた」などと押しつけがましいことを言ってはいけません。

 一人になる覚悟と準備を持っていない人は、誰かを本当の意味で愛し守ることはできないのです。ああ、なんだか興奮して暑苦しいことを書いていますね。すみません。

 美絵さん、「放置プレー」はそろそろやめませんか。ついでに実家を出てみたらどうでしょう。一人暮らしも悪くないですよ。続きはまた来週。

文/大宮冬洋 写真/鈴木愛子

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