交際相手の攻撃性に気づき「やっぱり無理」

 幸せな日々が続いた後、明美さんは弘明さんの新たな短所に気づきます。ルーズなくせに気が短いという不思議な性質です。

 「一緒にディズニーランドに行っても、行列や人混みが嫌い過ぎてメーンの乗り物に乗れないんです。パレードも見られずに帰ってきてしまいました……。それだけなら我慢できたのですが、ファミレスで並んでいたときに私たちの予約を飛ばしてしまった店員さんに対して、『何やってんだよ、てめえ!』と彼が怒鳴ったことがありました。あれで完全に終わりましたね。こんな人の子どもは産めない、と思いました」

 明美さんは以前にも同じような理由で恋人と別れたことがありました。そのケースでは「矯正できる余地もあるのでは」と僕は相手の男性を擁護したのです。しかし、弘明さんの場合はより深刻であり、迅速かつ穏便に別れた明美さんの判断は正しかったと思います。なぜなら、弘明さんは実際に暴力を振るった過去を笑いながら明美さんに明かしたからです。

 「私の後輩が電車の中で見知らぬ中年男性に殴られる、という事件があったんです。その話を彼にしたら、『オレもそういうことがあったな。弁護士に頼んでうやむやにしてもらったけど』と得意そうに話すんです。殴られたのではなく、彼が殴った側。ありえない、とますます思いました」

 確かにありえないですね。DVを受ける前に離れることができて不幸中の幸いでした。

婚活パーティーに積極的に参加するように

 現在、明美さんは「上司に相談して仕事よりも婚活を優先させてもらっている」状況です。婚活パーティーなどにも積極的に参加しています。「群れたくない」なんて突っ張っていた5年前と比べると格段に謙虚になっているのです。

 ただし、恋愛相手としての異性に求めるものは簡単に変えることはできませんよね。僕は他の男性もたくさんいる場で明美さんと会ったことがありますが、明らかにイケメンな男性ばかりと会話をする明美さんの様子が印象に残っています。いわゆる「面食い」なのですね。