ストレスをなくして健康を維持する秘訣は忘却力

 「いつもはテレビで一方通行で話しているので、せっかくの機会だから参加者の皆さんの質問に答えて双方向のコミュニケーションを取りたい」と提案した安藤さん。参加者からたくさんの手が挙がりました。

――ひとり時間の過ごし方は?

 「野菜をひたすらきれいに刻んで常備菜を作ります(笑)。野菜は『はい、コマーシャル』なんて言わないから、マイペースでできるでしょ? 刻みながら自分と向き合うと落ち着くし、常備菜もできていいことずくめ。それに安上がりですね(笑)」

――健康を維持するための秘訣は?

 「ストレスをためずに健康を維持する秘訣は忘却力です。反省はするけど、いつまでも覚えていたり引きずっていてもいいことはないですから。まぁ。年齢的にどんどん忘れていきますけどね(笑)」

――同じ仕事をしても女性にスポットが当たってしまう。それが嫌だと思っている人にどんなアドバイスをしたらいい?

 「私も女性初、と言われるのが嫌でしたが、何もしなければ評価されることもなかったと思う。最善を尽くしたら評価が付いてくるのだから、『ちゃんとやったから評価されたのよ』と言ってあげてほしい。げたを履かされたと本人が気付いていれば、それは落とし穴ではないのだから」

 わずか数分の短い時間ながら、当意即妙の答えで切り返してくれた安藤さん。最後に自戒を込めて「女性が輝くことは、等身大で働き、生きられること」と総括しました。「辞めることはいつでもできるから、皆で等身大で生き、働ける社会にしていきましょう」――立ち見までぎっしり詰まった観客席に向かって安藤さんが力強く呼びかけると、参加者たちは笑顔で大きくうなずいていました。

文/加納美紀 写真/稲垣純也