何を重視する? 各クラスターの恋愛・結婚観

 続いて紹介するのは、各クラスターの恋愛・結婚観。博報堂キャリジョ研の研究員によると、男性に求める条件などクラスターによって違いがあるようです。

モーキャリ

 仕事もプライベートも充実させたいという考えから、付き合う男性にも求めるものが多く、要求も高い。中でも特に、容姿・社会的ステータス・対等にいられる関係性・一緒にいて楽であることを重視します。

ちょいキャリ

 容姿、社会的ステータス、貯蓄額を条件として挙げながらも、自分への「フィット感」もしっかり見ています。趣味が合うか、生活リズムが合うかを考え、将来の結婚生活を踏まえて相手を選びます。

割りキャリ

 普段から趣味にお金をかけているため、趣味を理解してくれるかどうかが大切。優しくて、一緒にいて楽、金銭感覚が合う人には興味がありますが、年収も容姿もよく、社会的ステータスのある人にはほとんど引かれない傾向。

プロキャリ

 誠実さを重視し、自分を大切にしてくれるかどうかを気にしています。しかしプロキャリにとってプライベートは仕事の延長。根が真面目で常に人のために役立ちたいと考えているため、そもそも結婚は「できたらでいい」と考えている人が多いクラスターです。

乗っキャリ

 玉のこし願望が高いため、容姿・年収・貯蓄額・職業の安定性・社会的ステータス・誠実さ・金銭感覚の合致など、相手に求める条件が最も多いのが特徴です。またアンケートでは「自分や家族を大切にしてくれる」という項目にもチェックが多くつきました。

凡キャリ

 乗っキャリとは反対に、容姿やステータスは重要視せず、相手に多くのものを求めません。強いて言えば年収や貯蓄額、職業の安定性を見る程度。何よりも現状維持を大切にしているため、「将来何かあったときのために備えたい」という思いが背景にあるようです。

キラキャリ

 優しさが1番、年収・貯蓄額の多さが2番、鍛えられた体が3番と、他のクラスターとは異なる条件が上位に上がっています。このクラスターに所属する人は比較的若く、結婚願望は低いのが特徴です。

 このように、クラスターによって恋愛・結婚観には違いがあります。しかし一部では共通点も見られました。2014年と2017年のアンケート調査を比較すると、すべての項目においてポイントがマイナスになっていたのです。つまり、女性が男性に多くを求めない結果になったということ。

 そんな中、上位に選ばれたのは、「一緒にいて楽」「優しさ」「自分を大切にしてくれる」という3項目。いわゆる昔の「3高(高学歴・高身長・高収入)」より、自分や家庭に対する優しさを求める人が増えています。自分と相手がパートナーとなったとき、「人としてどう付き合っていけるのか」を重視する傾向がこれからも高まりそうです。

 いかがでしたでしょうか? 「私はこのクラスターかも!」「自分はどれにも当てはまらない」など、さまざまな結果があると思います。あくまで自己分析ツールの一つとして、役立てみてください。

出典「働く女の腹の底 多様化する生き方・考え方」(博報堂キャリジョ研著/光文社新書)
参考・博報堂キャリジョ研

文/華井由利奈 写真/PIXTA