仕事と家庭、両方取ってもなんとかなります
時短アイテムを上手に取り入れつつ、仕事と家庭を両立している太田さんですが、今の生活スタイルは「その時々で改良してきた結果」だといいます。
「結婚しても『CAを辞める』という選択肢は、私にはありませんでした。結婚するとき、夫に『もし、子どもが生まれても仕事は続けたい』と伝えたら、『いいよ』と言ってくれました。当時まだ、子育てがどんなものか実感できなかったからそう言えたのかもしれませんが」と太田さんは振り返ります。
「夫も慣れない子育てと仕事の両立で相当大変だったと思いますが、小さいうちから子どもに関わってくれたおかげで、二人の子どもたちはお父さんが大好き。日ごろ、面と向かって言うことは少ないのですが、夫には本当に感謝しています」
実際、子育てが大変なときはお母様に月に2回ぐらい手伝いに来てもらったり、生協のお総菜を利用したり、そして夫の協力を得たりして、両立ができているそう。太田さんは、「必ずしも『きっちり完璧』でなくてもいいですし、不都合があれば、その都度改良していけばいいと思います。慣れれば手際良くなりますし、その分、自分の時間も捻出できるようになります」と強調します。
「そして、ふと気付くと子どもたちはなんとか育ってくれています。もし、今、仕事と結婚、出産・育児のどちらを選ぶか迷っている方がいたら、『どちらもかなえてもなんとかなりますよ』とお伝えしたいですね。家族の存在は自分の活力にもなります」
そういってほほ笑む、太田さんの凛とした表情の美しいこと。CAとして、妻として、母として積み重ねてきたキャリアと努力によって磨かれてきたのでしょう。取材陣が「凛とした姿がすてきですね」と思わず口にすると、太田さんは照れくさそうに笑いました。
「いえいえ、私は『自分が明るく楽しくいないと、お客様や周囲を笑顔にできない』と思って、自分の時間を楽しむようにしているだけです。思い立ったら友人と旅行にも行きますし、旅行関連の資格を取るため学校に通ったこともありました。もしかしたら、私よりも家族のほうが大変かもしれません(笑)」
未婚・既婚に関係なく、真面目な人ほど「休む」「自分の時間を楽しむ」ことに少しの罪悪感を持ってしまう場合もあります。
「まずは自分が楽しむべき」という太田さんのマイルールを、ぜひ参考にしたいものですね。
文/三浦香代子 写真/稲垣純也、PIXTA