ステップアップして良かったこと

 オンにオフに充実した時間を送っている山本さんですが、2年前にリードキャビンアテンダントに昇格する話があったときは、悩んだそうです。

 「それまでは先輩から教えていただいたことや、自分の役割を遂行することを考えていればよかったのですが、リードキャビンアテンダントになれば乗務経験や国籍の違うCAをまとめ、指導育成する立場にもなります。はたして自分が仕事の指示を出す側に回り、皆が働きやすい環境をつくれるのだろうか……と少し不安でした」。

 仕事上で何か悩んだり、迷ったりしたときは、同期の仲間の存在が支えになっているといいます。

 「同期入社の皆も同様に、8~9年目でステップアップやキャリアアップを考える時期になるようです。同じ悩みを持つ人からのアドバイスは身にしみますし、反対に『私は悩み過ぎかな』と肩の力が抜けることもあります。昔よりも仕事の悩みは増えているかもしれませんが、この2年間はやりがいも増え、楽しく充実した時間を過ごすことができています」

 今は「後輩に『この人になら指導されたい』と思われるCAになりたい」と語る山本さん。手帳を見せてもらうと、多忙なスケジュールの中でも英語の勉強を続けていました。「ステップアップした分、それに見合った働きをしたいと思っています。今後は英語などの勉強はもちろん、バランスの取れた食事をするなど体調面にも気を配って、仕事に励みたいです」

「この人になら指導されたい」と思ってもらえるCAさんを目指します!
「この人になら指導されたい」と思ってもらえるCAさんを目指します!

文/三浦香代子 写真/稲垣純也、PIXTA