「リセールバリュー」を考えた消費行動を

「買う」時に、「売る」ことを考えてみるのもおすすめです (C)PIXTA
「買う」時に、「売る」ことを考えてみるのもおすすめです (C)PIXTA

 自己投資が大切と分かっていても、どうしても欲しいモノがある……。そんなときは、「モノを買ってご褒美にするのもあり」と、菅原さん。買ったモノを上手に活用すれば、お金を得ることもできるそうです。

 「例えば買ったモノを発信するブログを作り、アフィリエイト広告で副収入を得る、なんて方法もあります。また、いずれ『メルカリ』などで売るというのも一つの手。こうしたフリマアプリを、最近の若い人は上手に取り入れて活用しています。

 そのため、スマホなら値崩れの少ないiPhoneを選ぶなど、『リセールバリュー』を考えている人も結構多いようですね。安価なノンブランドの服を買って着倒すのもいいですが、ブランド物を30万円で買って、ある程度着たら25万円で売る楽しみ方もできる。貯めたいけれど消費もしたいなら、これも賢い方法だと思います」

幸せのコツは、誰かと比較せずに自分に問い続けること

 お金があるに越したことはないけれど、あれば誰でも幸せになれるとは限りません。では、幸せな人生を送るために、本当に必要なモノとは何なのでしょうか?

 「町内の出来事くらいしか把握できなかった昔とは違い、インターネットが普及した現代は地球の裏側で何が起こっているかも手に取るように分かります。このように情報収集が容易になると、自分と比較する対象も増え、不安になったりモチベーションが下がったりすることもあるもの。でも、大事なのは他者と比べるのではなく、自分が何をしたいのかを考えることです。

 そして時には、自分を守るためには貯金が最適解なのかを問い掛ける必要もあるでしょう。そうやって今、できることを楽しみながら、自分を問う力があれば、人は幸せになれるのだと思います」

聞き手・文/石川由紀子 写真/PIXTA

この人に聞きました
菅原道仁
菅原道仁(すがわら・みちひと)
脳神経外科医。菅原脳神経外科クリニック院長。1970年生まれ。杏林大学医学部卒業後、クモ膜下出血や脳梗塞といった緊急の脳疾患を専門として国立国際医療センター、北原脳神経外科病院にて数多くの救急医療現場を経験。2015年、菅原脳神経外科クリニック(東京都八王子市)を開院。著書に「そのお金のムダづかい、やめられます」(文響社)、「成功する人は心配性」(かんき出版)などがある。