貯蓄額と幸福度は比例しない

――投資信託や個人年金、個人型確定拠出年金(iDeCo)など、さまざまな資産運用をされていますね。

 「投資信託や個人年金は、自分の意思で始めました。今まで預金しかしてこなかったのですが、通帳を更新すると銀行の方から『この金融商品を買いませんか?』と毎回言われることに少々疲れてしまって、自分の意思で投資を始めようと思ったからです。今は超低金利で預金ではなかなか増えないし、特に大きなお金を使う予定もないので投資に挑戦してみようと思いました。

 雑誌やウェブの記事などで調べて、個人年金は月5万円ほど掛けています。満期時は掛け金1800万円に対して、配当金が300万円程度つく予定です。投資信託はハイリスクのタイプを選んだため、累計300万円ほどの元本で現在20万円ほどのマイナスです。長期で考えているので、一時的なマイナスは気にしていません。

 iDeCoは友人に教えてもらって、自分で調べて始めました。月に1万2000円の掛け金で、現在の残高は14万円ほど。損益はほぼありません。

 投資を始めてみて、世界経済などとお金の動きがどう関連しているのか勉強するようになり、いろいろな知識が増えました。また、積み立てなどを利用して強制的に貯蓄できる仕組みができて、よかったと感じています」

貯蓄ができたら男性観が変わることも… (C)PIXTA
貯蓄ができたら男性観が変わることも… (C)PIXTA

――人生の幸福度について、70点と答えていただきました。

 「確かに貯蓄はたくさんできるようになりましたが、貯蓄額は幸福度には直結していないように思います。目の前に1500万円分の札束そのものがあるわけではないですし(笑)。まあ、私自身は数字が増えていくのはとても面白いのですが……。貯蓄は多少の安心感につながるというレベルで、暮らしも人生も基本的には不自由をしていないので、無難なところで70点くらいだと感じています。

 のめりこめる趣味が特にないのと、31歳という年齢的にも結婚したほうがいいかなと思うので、プライベートの満足度は60点くらい。収入としては、あればあるほど通帳の数字が増えるので楽しいと思いますが(笑)、今の仕事は残業があまりなく、暇な時間も多いので、もっと働いて稼ぎたいなと思っているため、収入満足度は50点です。

 何が幸福だと感じるかは、人それぞれ異なると思います。好きなものを買うことが幸せな人もいれば、お金を貯めることが幸せな人もいるでしょう。私の場合はどちらでもなく、貯蓄がないことで不安になることなく、貯蓄があっても虚無感に陥ることなく、貯蓄に左右されずに精神的に満たされることそのものが、幸せにつながると感じています。貯蓄ばかりに力を入れず、自分が精神的に満たされる道を進んでいきたいと思います」

文/西山美紀 写真/PIXTA