大切なのは、勇気を持って一歩踏み出すこと

「大切なのは、勇気を持って一歩踏み出すこと」(鈴木明子さん)
「大切なのは、勇気を持って一歩踏み出すこと」(鈴木明子さん)

 現在、鈴木さんは、全国各地のアイスショーへの出演の他、講演会、テレビ出演など多方面で活躍しています。

 「怖がりなので、フィギュアスケート以外の仕事をするときは、いつも不安でいっぱい。でも、自分ができないと思ったら、そこから可能性は広がりません。チャンスを与えてもらっているのに、自分で扉を閉めたら何も広がらない。できるかできないかよりも、やるかやらないかの方が大事だと気付いたんです」(鈴木さん)

 引退後、さまざまな仕事を経験したことで、勇気を出して1歩踏み出すことができるようになったという鈴木さん。フィギュアスケート界以外の人たちとの縁もつながり、チャンスが広がっています。

 女性は、結婚や出産など、いくつかのターニングポイントを迎えます。鈴木さんも、「いつか、スケート靴を脱がなければならないときが来るかもしれない」と考えているそうです。そのとき、どんな選択をするのかまだ見えていませんが、これからも、鈴木さんのチャレンジは続きます。

 最後に「笑顔が世界を変えると思っています。この会場を出た瞬間から、皆さんの口角がきゅっと上がっていると素敵だなと思います」と、会場に呼びかけた鈴木さん。大きな拍手とたくさんの笑顔に送られながら、会場を後にしました。

文/永井直美 写真/西田佳世