シンプルな暮らしと存在感あるインテリア

 家の中のモノやインテリアに対する考え方について、アラサー家族の共感度が高かったのが「家具などのインテリアはできるだけシンプルなもの」。「あまり使わないものは処分するほうである」に同意する人も多く、アラサー世代は余分なモノをサクサク捨てて、シンプルに暮らそうとする意識が浮かび上がってきます。

 河崎さんは同社が手がけた自由設計の住まいを紹介。例えば、「図書室みたいにしたい」という要望に応えてダイニングに壁面いっぱいに本棚を造り付けたり、住まい全体をキャンパスに見立てて壁面の一部にグリーンやレッドなどのポップなカラーを配したり。シンプルでありながら、存在感あるインテリアで空間を個性的に彩っているのも特徴です。

 施工事例を示しながら、ソファーを置かずに家族がゴロゴロできるスペースを作った「床座」のリビング、オープン棚に好きな雑貨などをディスプレイしたカフェ風のLDKなど、注目のスタイルを解説。ワンルームの部屋を家具でゆるく仕切って自分の居場所を確保したり、フルフラットのバルコニーでリビングとの一体感を出して空間を広く見せたりなど、さまざまな住まいづくりのヒントも紹介してくれました。

 内装材では、肌ざわりの優しい無垢材は床材として使うのがオススメとのこと。「最近の壁のクロスはバリエーションが豊富になり、石やレンガ、木のような風合いのものがあります。内装材を上手に使い分けることで、コストを抑えながら、より自分らしい空間を作ることができます」(河崎さん)。

収納は広いだけではダメ!

 河崎さんによると「インテリアをより素敵に見せるには、表に見えない収納部分がきちんと機能していることが重要」とのこと。住宅を選ぶ際、収納を重視している人は多いそうですが、「収納場所は広いだけではダメなんです」とキッパリ。同社が約400件に及ぶオーナー邸を対象に、収納の床面積と満足度を調査したところ、延床面積に占める収納の割合が14%を超えると満足度は横ばいに。つまり、収納の広さと満足度は比例していないのです。

 収納の不満を聞いた中には、「出し入れがしにくい」「何となく散らかる」「場所が適当でない」との意見が。「これらの不満が、収納場所を増やしても、モノを減らしたとしても、解決しない問題として残り、満足度につながっていかないのです」(河崎さん)