「暗いビジネスホテルで一晩考える時間があって、自分はやっぱり形あるものを残したいんだという思いが浮かんできた。マーケティング的に世の中に負けず、小さな資本でもやれる、自分が一番楽しいものは何だろうと考えたとき、『洗えて仕事に使える洋服のブランドだ』と、これまで通ってきたすべての点が結びついて、WHATができあがったんです」

 振り返ってみると、これまで経験したことがすべて「kay me」に活かされていると話す毛見さん。「キャリアの形成途中では思い通りにいかないことが多いけれど、必ず得られるものはある。そのときは無意味だと思ったことも、それを自分で言葉にしたり、振り返ったりすることによって、強みにしていくことができると思います」

やるべきことが見つからないときは「人生最後の日に何といわれたいかをイメージする」
やるべきことが見つからないときは「人生最後の日に何といわれたいかをイメージする」

 自分のWHATが見つからないときは、「人生最後の日に人から何といわれたいかを具体的にイメージする」「自分の生い立ちや家系を振り返って、こんなふうになりたいと思うことを可視化する」「他の人にないユニークな部分を掛け算で表し、それが自分の強みや独自性だと認識する」など、具体的なヒントも披露してくれた毛見さん。

 自分の使命として何をするのか、そのために必要なことは何で、何を強みとして活かしていけるかを考えることがキャリアを築くうえで大切だと毛見さんはいいます。そして、自分らしい人生を送るために、自分が違和感を覚えることは選択しないなど、自分の内なる声を大事にすることも大事にしてほしいと働く女性にエールを送ってくれました。

取材・文/山本真由美 写真/水野浩志