3.コミュニケーションは常に「相手の立場」を意識

 社内外、さまざまな立場の人と接する広報にとって、仕事の大半はコミュニケーション。コミュニケーションスキルを磨くためのポイントとして、取材を通して多く聞かれたのが「相手の立場に立つこと」。具体的に、どのようなことを心掛けているのでしょうか。

 「他部署の人と擦り合わせをする際は、こちらの意見も伝えつつ相手を重んじ、相手の立場を考えながら意識のズレの埋め合わせをします。その意見の擦り合わせも、『自分本位』にならないように気を付けていますね」(ダイヤモンドダイニング・宮島さん)

 「サービスについて知ってもらいたいという思いが強いと、どうしても『自分が伝えたいこと』が先になってしまいがち。『まず相手の目線に立つこと』を意識しています」(Yahoo!・池田さん)

 「問い合わせを受けたらなるべく早めに対応する。すぐに回答できない場合は、『これぐらいの時間がかかるので少しお待ちください』と伝え、相手を不安にさせない。こうした小さな積み重ねが信頼関係につながると思います」(日産自動車・鈴木さん)

相手の目線に立って伝える

 特に気を付けているのは、「『相手が求めていること』と『自分がやりたいこと』の接点を探ること」と、池田さん。「例えば、各ストアとやり取りをする営業の担当者に『面白いストアの情報があったら教えてください』と頼む際は、単にそのようには言いません。『まずストアの認知度を上げることがストアさんとの信頼関係につながるのではないか』と、相手のメリットを具体的に伝えた上で、お願いをするようにしています」。

 仕事を進める際は、どうしても自分の思いや考えを一方的に伝えてしまう場面もあるもの。ですが、自分本位ではなく、例えば営業の人なら「取引先」など、相手の立場をきちんと尊重した上で自分の意見を伝えることが、日々のコミュニケーションの中で求められるようです。

<まとめ>
● コミュニケーションの基本は「相手の立場に立つ」こと
● 素早い対応、レスポンスを心掛けて信頼関係を築く

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 広報になりたいと考えている方はもちろん、それ以外の方にもヒントになる点があったのではないでしょうか。普段の仕事にも上手に取り入れてみてくださいね。

文/浜田寛子 写真/PIXTA、吉澤咲子、スタジオキャスパー