全員と同じ高さの目線で、最高のチームプレーを

 また、会社組織にはチーム内にさまざまな雇用形態、肩書、職位の人が混在していますが、セーラームーン世代は雇用形態、肩書、職位で人を序列付けすることを、心のどこかで卑しい行為だと思っています。

 できることなら彼ら全員と同じ高さの目線で対話し、へりくだったり威張ったりすることなく、友好的かつフラットに接して、最高のチームプレーを実現したい。そんな気分は時に、目上の人への「カジュアルタメ口」となって表出し、上下関係に厳しい世代の逆鱗に触れてしまうわけですが……。

 総合職と事務職、バリキャリの営業職と後方支援のアシスタント、働くお母さんと専業主婦。それらの別は「役割」の別であって、優劣や貴賎ではない。測る物差しはひとつではない。大切なのは適材適所で自分が輝けるかどうか。必要とされるかどうか。セーラームーン世代の抱く理想は、これに尽きるのです。

 もちろん、そんな理想が必ずしも現実に適用できるとは限りません。世の中にはいまだ、「勝ち組バリキャリ女性」を頂点とするキャリアヒエラルキーが存在し、世の女性の心を乱れさせているからです。

 ビジネス誌などで「外資系企業勤務の高年収な管理職女性」が自信たっぷりの笑顔で登場し、日々読者の神経を逆なでしているのはその証。結婚や出産や子育ての有無、そのタイミングによってキャリアが多様化しやすい女性は、尋常ならざる気持ちで、そのような記事に目を通していることでしょう。