彼氏持ちの友達との接し方も学んでいた

彼氏持ちの友達との接し方も学んでいた
彼氏持ちの友達との接し方も学んでいた

 先のローティーン誌の類には、「自分にだけ彼氏がいることが友人グループ内に知られ、ハブられた」という悩み相談も載っています。実際、「グループ内の誰かにだけ彼氏ができた」は、高確率で友情の解消あるいは粛清行動にも結びつきやすく、深刻な孤立や陰湿なイジメの原因ともなっています。

 しかし当たり前ですが、うさぎはハブられることも、陰湿な嫉妬の対象にもなっていませんでした。他の4人は茶化したり、羨ましいポーズを取ったりはしますが、うさぎの「彼氏あり」ステータスを、劣等感なく素直に受け入れていました。セーラームーン世代も同様に、そんなことで友情の解消などしないのです。むしろ友人の彼氏を豪快にイジり、女子会を大いに盛り上げるネタに活用するでしょう。

 「グループの誰かにだけ彼氏がいること」が女同士の友情に影響しない、影響すべきでないことは、うさぎのお供である黒猫のルナの口からも援護射撃されていました。TVアニメ『美少女戦士セーラームーンSuperS』第14話「恋の嵐! 美奈子のフタマタ大作戦」(1995年7月8日放送)で、ルナはセーラーチームに対して、「つき合ってる人のひとりくらいいたほうが、健全ってもんよ」と言い放つのです。ルナは猫ですが、うさぎたちにとって「良識あるお姉さん的な世話役」の立ち位置なので、この言葉には奇妙な説得力がありました。

 さらに、衛はうさぎ以外の4人とも仲が良く、セーラーチームの5人に衛を加えた6人で集まって勉強したり、遊びに行ったりもしていました。このことが、これまでの世代には見られなかった価値観を与えているのです。