お金の不安をなくすには、不安と向き合うこと
お金を貯めるとき、「5年後までに500万円を貯めて、5000万円の家を買う」のような具体的な目標があれば、計画を立てるのは比較的簡単です。でもそれさえできれば、お金の不安がすべて消えるわけではありません。人生にはあまりにも多くの変動要因があって、ひとつの目標をクリアしても、次から次へと不安要素が現れるからです。「いつまで生きるかわからない」と、人生のゴールまでもが不確定なわけですから、生きている限り、お金の問題はつきまといます。
では、どうすればよいのでしょうか?
残念ながら、不安要素そのものを消し去ることはできません。お金のアドバイスをする仕事をしている私自身も、いつもお金の心配は尽きません。いくらきちんと計画をしても、思い通りにお金の出入りが動くわけではありませんし、いくら貯めたとしても、それでこの先が絶対に安泰とはいえないからです。
でも、お金の不安をコントロールすることはできます。そのひとつが、不安と向き合うことです。どうせ消えないのなら、「将来の不安は消えないものだ」と自覚してしまうのです。誰にでもつきまとう不安なら、いっそのこと「そんなものなのだ」と諦めてしまう。そのうえで、何ができるかを改めて考えてみると、すっきりした気持ちで対策を考えられます。
たとえば、まずは少しでもお金を貯めてみる、投資にチャレンジする、収入を増やすべく副業や転職をする、自分に投資するなど……。どれをやっても結局は不安ゼロにはならないわけですから、ならば、思い切りやりたいことをやるほうがずっと悔いなく生きられます。それが、経済的なゆとりになる可能性も十分にあります。