仕事を辞めたらどうなるの?

 ところで、女性は結婚や出産、実家の都合などで退職したり、フリーランスに転向したりと、仕事の状況が変わることがあります。その場合も、原則として確定拠出年金は続けることになります。確定拠出年金は「ポータビリティ」といって、それまで積み立てたお金を持ち運ぶことができます。たとえば、お勤め先で企業型に加入していた人が独立して自営業になったら、個人型に持ち運んで積み立てや運用を続けることになります。これを「移換」といいます。

 ここで注意したいのが、積み立てたお金を持ち運ぶことはできるが、●●定期預金、△△投信などの金融商品の形では持ち出せないということ。毎月の掛金で購入してきた定期預金や投資信託のラインナップは、加入していた企業独自のものだからです。転職して新しいお勤め先で企業型に加入する場合でも、独立して個人型に加入する場合でも、選べるラインナップは新しく変わります。そのため、退職時には持っている資産を一度売却し、その精算金を次の確定拠出年金に移します。もし投資信託で運用していて、退職のタイミングでは買った時よりも値下がりをしているとき、「このまま新しい会社に持っていってそこで回復するのを待とう」と思っても、それはできないので要注意です。

 なお、例外的に確定拠出年金のお金を引き出せるケースもあります。「脱退一時金」といって、資産が一定額以下である、退職後に主婦になるなどの要件を満たすと、それまで積み立て・運用した資産を一時金で引き出せることがあります。ただ要件が複雑で、法律改正とともに変更されることもあります。ご自身のケースで引き出せるかどうかは、加入している確定拠出年金の運営・管理をしている会社に確認しましょう。