これからは結婚しても仕事を続けるのが当たり前

 シングルのときには、仕事がうまくいかないと「早く結婚して主婦になってしまいたい」と、専業主婦への憧れのような思いがよぎることもあるでしょう(私は何度も思いました)。でも、結婚したら仕事から解放されるわけでもないのが現実のようです。

 配偶者控除の見直し後に新たに創設される見込みの「夫婦控除」は、配偶者の収入にかかわらず共働きの世帯などにも控除を適用する形で検討されています。これは、「女性は結婚したら家庭に入るのではなく、むしろ結婚したうえでしっかり働く」ことを国が推奨しているとも受け取れます。賛否両論ありますが、時代の流れからするとごく自然ともいえます。1970年代まで専業主婦世帯が大半を占めていた日本の家庭は、1980年代から共働き家庭が増加し、1990年代にその数が逆転した後も増え続けているからです(※4)。

 これからは、結婚しても仕事を続けるのが当たり前という価値観が、いよいよ主流になるのでしょう。私たちが結婚やその先のライフプランを考えるときにも、仕事という要素を抜きには語れない時代になっていくはずです。今回の配偶者控除の見直しは、すべての女性にとって、ひいては男性も含めて、結婚観やキャリアの築き方、そして人生のビジョンを大きく変容させていくきっかけになるに違いありません。